【自作エフェクター】オペアンプ5532で作るベースギターバッファ回路/アンバランスアクティブDI





この記事では、ギターやベースで使えるバッファ回路をオペアンプの5532で作る方法を紹介する。
オペアンプ5532は今でもさまざまな音響機材に使われており、高音質なのに低価格で手に入りやすいオペアンプである。

バッファ回路とは、パッシブギターなどのハイインピーダンス楽器をローインピーダンスに変換し、さまざまな音響機材へ入力できるようにするものである。
つまりこれは、アンバランス出力のダイレクトボックスと言って良いだろう。


回路図


それではさっそく回路図をみていこう。


5532は4558などのオペアンプと違って、入力インピーダンスが数百キロΩ程度とかなり低い。そのためはいインピーダンスなギター出力を直接受けることはできない。
だから、前段にFETでをかまして十分にインピーダンスを下げている。
1Mの抵抗が2本入っているので並列の計算で、入力インピーダンスは500kΩとなる。

「その後にわざわざ5532を入れなくても、FETのみのバッファ回路でよいのでは?」と思った方、正解。

その後にエフェクターなどの入力インピーダンス高めの機材を繋ぐのであれば、オペアンプを入れる必要はない。というかFETすらいらない場合がほとんど。そもそもエフェクターにバッファ回路が入っているのが普通だからだ。(古いエフェクターではそうでなかったりするが。)

しかし、手元にある録音機材の入力インピーダンスが1.8kΩとかなり低かった。FETの出力ではまだインピーダンスが高すぎるので、さらにオペアンプを通すことでインピーダンスを十分に低くすることにしたのだ。ちなみに通常のオペアンプの出力インピーダンスは50〜100Ω程度となるようだ。


上段の5532は、増幅率1倍のボルテージフォロワ(バッファ)回路となっている。


先ほども述べたとおり、出力先の機材の入力インピーダンスが1.8kΩと想定して、22μのカップリングコンデンサをつけている。
計算するとカットオフ周波数は4Hzとなり、実用上は十分そう。

» CRハイパス・フィルタ数計算ツール


下段のオペアンプの働きは、バイアス電源を作り出している。
抵抗のみで分圧するバイアス電源よりも多くの電流を取りやすく、安定度が高くなっている。





基板の制作


今回はレジストペンを使ったエッチング作業で基板を作ってみた。

不思議なもので何度か書き直しているうちに、自然と合理的な配線になっていく。
パズル感覚でやると楽しく飽きない?(もちろんCADが使える人は自動配線でOK。)


設計した回路は上からみた図なので、トレーシングペーパーに写して反転させて書く必要がある。
穴の位置は少しぐらいズレていても構わない。

カット基板にレジストペンでベタ塗りしていく。
銅を溶かす部分を最小限にしたいので、隙間をできるだけ狭くする。
銅をたくさん残した方が、シールド効果があるだろうし、エッチング液の節約にもなる。


サンハヤト カット基板 No.34

ガラスエポキシ(FR4)/片面/1.6t×150×200/銅箔面に直接レジストペンでパターンを描き、エッチングすると回路基板ができます。

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エッチング液に浸す。少し温めたり、こまめに揺らしてあげると銅が溶けやすい。


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容量:200ml/主成分 : 塩化第二鉄/外観 : 黒褐色液体/液性 : 酸性/自作基板のエッチングが簡単にできます。100×150mmサイズの片面基板が約3枚処理できます。廃液処理剤付きです。

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レジストペンをアルコール拭き取って、ピンバイスで穴あけ作業。


電子部品を半田付けして完成。
今後アルミケースに納めようか考え中。



プリント基板の作成は、配線の設計や、ピンバイスの穴あけ作業が少々面倒だりする。
しかし、電子部品の半田付けがとてもラクになったり、見た目がすっきりしてわかりやすいためメンテナンスが効く。強度的にも安心して使える。





録音


最後に、今回作った5532のアンバランスDIを通してベース演奏を録音してみた。
生音をモニターする限りでは、以前作ったパッシブDIよりもパワフルな感じでなかなか良さげ。
自作ダイレクトボックス、山水トランスのST-14でパッシブDI製作【ギター/ベース】


BASS(STEINBERGER)
  ↓
5532 Unbalance DI
  ↓
ZOOM H5
  ↓
GarageBand(Big Stack)






エフェクター製作にゼッタイおすすめな書籍!


最後にエフェクターの電子工作でオススメな書籍を紹介しておく。

どちらとも大好きな大塚明先生の書籍となる。
廃盤になっているようなので品切れか、高価格になっているかもしれないが、もしも安く手に入るようだったら絶対にオススメしておく。

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