【自作エフェクター】ベースで使えるローパスフィルター回路
今回はベースで使えるローパスフィルター(LPF)回路を紹介してみたいと思う。
ローパスフィルターとは
ローパスフィルターは簡単に言うと、高音をカットして低音だけ通すフィルターである。図のように、-3dB音量が下がる点を、カットオフ周波数fc[Hz] とする。
カットオフ周波数以降からだんだん音量が下がっていくのではなく、カットオフ周波数手前でも少し音量が下がっていることに注意。
ローパスフィルターはエフェクター意外にもさまざまな用途で使われているので覚えておいて損はない。ローパスフィルターを、思いっきりベースにかけるとモコモコして心地よい効果が得られる。ウッドベースやアコースティックベースの温もりのある音にも近いかもしれない。
回路図
今回使ったローパスフィルターの回路図がこちら。
オペアンプには4558を使った。
前段のオペアンプはバッファ回路となっており、ギターやベースを入力できるようにインピーダンス変換の役割をしている。
単一電源で動作させるため、10kΩを2つ使ってバイアス電圧を作り出している。
後段のオペアンプがローパスフィルター回路である。この回路は2次のローパスフィルターとなっており、-12dB/octで高音が減衰していく。コンデンサの0.047μと0.022μがペアになっていて、二倍の関係になるように調節する。2つの容量の中間値をとって、次の公式よりカットオフ周波数を計算する。
$$ fc = \frac{1} {2πCR} $$
0.047μと0.022μの中間値、0.035μFをCとする。
また可変抵抗を2連の50kΩに設定したので、Rを50kΩとする。
C=0.035μF、R=50kΩを当てはめて計算すると、fc=91Hzとなった。
ちなみにベースのG線の解放の音が約98Hzとなるので、かなり強烈なローパスフィルターである。
そもそも今回ローパスフィルターを使いたかった理由は、ベース音にそのままファズをかけると、ベースに豊富な倍音同士がぶつかってしまいキレイに歪まなかったりする。なので、このローパスフィルターを通して倍音成分を落としてから歪ませる。
ベースファズのクリッピング回路の製作はまたの機会に、今回はローパスフィルターのモジュールだけ作ってみた。
エフェクター製作にオススメの書籍
最後にエフェクターの電子工作でオススメな書籍を紹介しておく。どちらの書籍も大塚明先生が書いたもので大変良書だ。しかし、残念ながら現在廃盤になっている。品切れまたは高価格になっているので、もし安く手に入るようなら買って損はないだろう。
- 専門的知識がない方でも、文章が読みやすくおもしろい
- エレキギターとエフェクターの歴史に詳しくなれる
- 疑問だった電子部品の役割がわかってスッキリする
面白くないものはつまらない。 音や音楽に興味があるけど、電気の公式は見たくもない人、電気を「理科系」だと思っている人、勉強が嫌いな人、あなたのための本です。電気って、本当はすごく面白い。夢とロマンの世界なんです。それを知ってもらうために純粋文科系の私が書きました。読んでくれた人、ありがとう!これから読む人、よろしく!
Amazon最後まで読んでいただきありがとうございました。
「この記事が参考になったよ」という方は、ぜひ記事をシェアをしていただけるととても嬉しいです。
今後も有益な記事を書くモチベーションにつながりますので、どうかよろしくお願いいたします。↓↓↓↓↓↓↓