ホワイトノイズジェネレータの製作【回路図つき】

 

ホワイトノイズ

この記事では、ホワイトノイズを発生させる電子工作をご紹介します。

この世は無数の電磁波が飛び交うノイズまみれな世界ですが、いざ、キレイなホワイトノイズを作ろうと思うとこれが結構むづかしいんです。ホワイトノイズはすべての周波数帯域で均一な状態にしなければならないため、でたらめなノイズではホワイトノイズとは呼べないのです。いろいろ実験をくりかえして、ようやくホワイトノイズらしい音、波形になりました。ぜひご参考になさってみてください。

▼ ちなみに、こちらのようなホワイトノイズ発生器のキットも売られてます。電子工作に自信のない方は、キットを選ぶのも良いと思います。

ホワイトノイズとは

ホワイトノイズとは、すべての周波数帯域で同じ振幅をもったノイズのことです。同じ振幅ですから、音量(ゲイン)がすべての周波数で同じになるようなノイズということです。

ホワイトノイズの周波数特性

こちらは、Audacityというソフトを使って生成したホワイトノイズの周波数特性です。理想的な直線にはなりませんが、ホワイトノイズの周波数特性はだいたいこのようになります。

Audacityで生成したホワイトノイズの周波数特性
Audacityで生成したホワイトノイズの周波数特性

Audacityで生成したホワイトノイズの音

▼ こちらのリンクへ飛んでいただけますと、Audacityで作ったホワイトノイズの音を聴くことができます。 「シャー」といった高音のノイズ目立つのがホワイトノイズの特徴です。

ホワイトノイズとは別に、有名なピンクノイズというものがあります。ピンクノイズの場合は「ザー」といった感じでホワイトノイズよりは暗い印象のノイズです。

▼ ピンクノイズの音

いかがでしょう。滝のような音に似ていませんでしょうか。

ピンクノイズは、周波数に反比例してパワーを減衰させた雑音です。そのことから、ピンクノイズは「1/fノイズ」とも呼ばれます。「1/fゆらぎ」という名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。実は、滝の音のように自然界には「1/fノイズ」が多く存在しているのです。

ちなみに、理想的なピンクノイズを作ろうとするととっても難しいです。それでも挑戦してみたいという方は、こちらの記事がヒントになると思うので、ご参考になさってみてください。

ホワイトノイズマシン

ここまで、ホワイトノイズについてカンタンに説明してきました。もしかしたら、電子工作には興味はなく、安眠や騒音対策としてホワイトノイズ発生器のグッズをお探しの方がいらっしゃるかもしれません。

そんな方には、ホワイトノイズマシンという商品がオススメです。3000円〜5000円の値段で購入できます。Amazonでとくに人気のあるホワイトノイズマシン製品をのせておきますので、ご参考になさってみてください。

ホワイトノイズマシンには、「ホワイトノイズ」をはじめ「雨の音」や「焚き火」の音などの自然音が収録されており、それらの音を内蔵スピーカーから出力します。耳障りな音や、気が散る騒音をかき消してくれるので、快眠をサポートしたり、作業に集中できるようになります。

また、ノイズキャンセリングを内蔵したワイヤレスイヤホンも流行ってますので、騒音にお悩みの方はそちらを検討してみるのも良いかもしれません。こちらはAmazonでとくに人気のAnkerのワイヤレスイヤホンです。

ホワイトノイズの電子工作

電子工作好きのみなさん、おまたせしました。

ここから、ホワイトノイズの電子工作を紹介していきます。

ツェナーダイオード版

はじめに、ツェナーダイオードによるホワイトノイズのご紹介です。

ツェナーダイオードによるホワイトノイズ発生器の回路図
ツェナーダイオードによるホワイトノイズ発生器の回路図

こちらの回路で、5Vと3Vのツェナーダイオードを使って試しました。確かにホワイトノイズらしきものは発生したのですが、同時にリップルのような乱れたノイズも出てしまい使い物になりませんでした。

使い物にならない回路をはじめに紹介するのはどうかと思いましたが、何かの参考になればと思います。

よく、ツェナーダイオードで定電圧を作る回路を見かけます。しかし、おそらく今回体験したようなノイズが電源にのってしまうと想像できます。電源ノイズを気にしない用途ならば良いですが、たとえば音質が重要になる音響機材のような回路でツェナーダイオードを使ったら怒られることでしょう。

オペアンプ版

次に、こちらのオペアンプによるホワイトノイズ発生器を試してみました。

オペアンプによるホワイトノイズ発生器の回路図
オペアンプによるホワイトノイズ発生器の回路図

上の回路図のように、100Ω以下の低い抵抗で反転入力と非反転入力をつなぎます。そして、非反転入力をアースへ落とします。ただし、オペアンプを単一電源で動かしている場合は、アースではなくバイアスへ接続します。

10kΩのフィードバック抵抗が大きすぎると、ホワイトノイズが発生しなくなるので注意しましょう。

この回路の出力信号はかなり小さいので、後段に増幅回路を設けるのが実用的です。

さて、この回路をブレッドーボードで組み立てて、発生したノイズの周波数特性を調べてみました。オペアンプをそれぞれ「NJM5534」「TL072」「NJM4558」「NJM022」と入れ替えて周波数特性の違いを調べました。すると、「TL072」>「NJM4558」>「NJM022」の順で特性がホワイトノイズに近くなり、残念ながら「NJM5534」はノイズが発生しませんでした。

こちらは一番ホワイトノイズに近づいたTL072の周波数特性です。

TL072によるホワイトノイズ周波数特性
TL072によるホワイトノイズ周波数特性

上図を見てわかるとおり、高域になるにつれゲインが下がってしまい少しこもったホワイトノイズとなってしまいました。なにか改善の一手があるのかもしれませが、オペアンプでのホワイトノイズ発生回路はあきらめ、次のトランジスタ版へすすみます。

トランジスタ版

最終的に、こちらのトランジスタを使ったホワイトノイズ発生器の回路が一番うまくいきました。回路図の前段のトランジスタがホワイトノイズ発生回路で、トランジスタのベース-エミッタ間に逆方向電圧をかけることでホワイトノイズを発生させています。そして、後段のトランジスタで信号を増幅させています。

トランジスタによるホワイトノイズ発生器の回路図
トランジスタによるホワイトノイズ発生器の回路図

トランジスタは、2SC1815を指定しておきます。他のトランジスタだとノイズが発生しない場合があります。また、2SC1815でも個体差がありますので、いくつかのトランジスタを試して一番元気に発振する石を探しましょう。

前段のベース-エミッタ間の電圧を測定すると、8.27Vの定電圧になりました。このため、9V電池でも動かすことはできますが、電池が消耗して電圧降下が大きくなると動作しなくなります。また、回路に少し変更を加えれば2SA1015でも動きます。その場合は、逆方向電圧が10V以上になるので9V電池では動きませんのでご注意ください。可能であれば、このホワイトノイズ発生器回路は12V以上の電源電圧で動作させましょう。

この回路で発生させた周波数特性がこちらです。ご覧のとおり、キレイなホワイトノイズの周波数特性になりました。20Hzから20kHzまでほぼフラットな特性なので、オーディオのような低周波機材で使う分には問題ないと思います。

2SC1815によるホワイトノイズ周波数特性
2SC1815によるホワイトノイズ周波数特性

キレイなホワイトノイズが発生できてうれしかったので、銅板をエッチングして基板を作り、ブレッドボードで使いまわしができるホワイトノイズ発生器モジュールを作ってみました。

ホワイトノイズ発生モジュール
ホワイトノイズ発生モジュール

2SC1815で作ったホワイトノイズ発生器の音

▼ 2SC1815で作ったホワイトノイズ発生器の音を聴いてみましょう。こちらのリンク先で、録音したホワイトノイズの音を聴くことができます。

▼ パソコンで作ったデジタルのホワイトノイズの音と聴き比べてみてください。

違いが分かりますでしょうか?(笑)

最後に

ホワイトノイズ発生器があると、音響での実験やテストに何かと便利です。ぜひ皆さんも、ホワイトノイズ発生器を作ってみてくださいね。

今回作ったホワイトノイズを使って、さらにピンクノイズも作ってみました。よろしければご参考になさってみてください。

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