【5532・4558・TL072】オペアンプによる音の違いを比較検証してみた

 

5532・4558・TL072の音質比較
5532・4558・TL072の音質比較

エフェクターや音響機材の電子工作をやっていると、オペアンプによる音質の違いを知りたくなりますよね?実のところ、試聴比較するまで私は大した違いはないだろうと高を括ってました。数メガを扱う高周波じゃないんだから、音質なんてどれも変わりっこない。

しかし、今回いくつかのオペアンプを入れ替えて実験してみたら、驚くほど音質が違うことに気づきました。オペアンプ、侮れません!

具体的にはTL072/4558/5532の3つのオペアンプでベース用のDIを自作し音質比較してみました。ベース弾きなもので、ちょっとマニアックな試聴になりますがご了承ください(^_^;)

はじめに

対象としたオペアンプは、音楽関連の機材で良く使われるTL072/NJM4558/NJM5532の3つです。どれも手に入りやすく定番中の定番ではないでしょうか。

オペアンプによる違いを実験した動画を紹介します。今回組んだ回路を使ってベース演奏してみました。YouTubeへアップしましたのでぜひ視聴してみてください。ただし、イヤホンやヘッドホン推奨です。ちなみにベースで弾いている曲は カーディガンズの「Sick & Tired」 です。

録音方法は、 STEINBERGERのパッシブベース の出力を、今回オペアンプで作ったバッファー回路に通して録音機材(ZOOM H5)で録音しました。

バッファ回路と製作

ここから先は、実際に使用したオペアンプのバッファ回路(DI)の具体的な説明となります。ご興味のある方はご参考になさってみてください。

TL072/4558を使ったバッファ回路

TL072または4558のバッファ回路図
TL072または4558のバッファ回路図

シンプルなボルテージフォロワの回路です。実験しやすいように、ソケットを基板に付けてオペアンプを取り替えられるようにしました。手持ちの録音機材(ZOOM H5)の入力インピーダンスが1.8kΩと低めなので、出力のカップリングコンデンサを大きめの100μにしました。

TL072/4558バッファモジュール
TL072/4558バッファモジュール

5532を使ったバッファ回路

5532のバッファ回路図
5532のバッファ回路図

5532の入力インピーダンスは数百kΩですので、先ほどの回路をそのまま使うことが出来ません。ベースやギターの出力インピーダンスは数百kΩ以上ですので、5532に直接入力すると音量が下がるだけでなく音質も劣化してしまいます(ただし楽器がアクティブ回路内臓なら話は別です)。今回は5532の入力段で、別途FETのバッファ回路をはさんでみました。この回路であればFETの1Mの2つの抵抗の並列合成値500kΩが入力インピーダンスとなり、楽器の出力を十分に受け取ることが出来ます。

バッファモジュール
バッファモジュール

オペアンプによる音質の違い

ベース演奏での音質比較でしたが、オペアンプによる音質の違いがおわかり頂けたでしょうか。とくに、自分で演奏していると顕著に音質の違いが分かります。4558やTL072では音が軽く、若干演奏がはしってしまいました。一方で5532になるとずっしり重くなり、ちょっともたついてるかなと思うほど演奏にも影響がでました。

それぞれのオペアンプを比較して自分が感じた印象をまとめると次のような感じです。

オペアンプ音質
TL072音が硬い、高音が出てる
NJM4558こもっている、すこし弱々しい印象
NJM5532音が太い、音が豊かで自然

これらのオペアンプの中では、圧倒的に5532の音質が良くパワフルでした。正直、もうTL072や4458には戻れないと言っても良いです。笑

もちろんエフェクターなどで音色を積極的に変える回路に使う場合は、4558でも十分です。これからも使っていきます。また、5532は入力インピーダンスが低くて使いづらいデメリットもあるので、ハイ受けの時はTL072が便利なのも間違いないです。

5532はこちらの記事でも詳しく解説してます。

また、5532のDIでドアーズの「Winter Love」を弾いてみました。同じくSTEINBERGERのパッシブベースです。よろしければご視聴なさってみてください。

それぞれのオペアンプの特徴

ここで、今回使ったオペアンプ(TL072/NJM4558/NJM5532)の特徴をまとめておきます。ご参考になさってみてください。

項目TL072NJM4558NJM5532
入力素子FETバイポーラバイポーラ
入力抵抗100MΩ5MΩ300kΩ
スルーレート20V/μs1V/μs8V/μs

スルーレートSR(Slew Rate)とは立ち上がりの速さを表します。この値が高ければ高いほど、入力信号の形を保ったままキレイに増幅できることになります。

また、5532は比較的高負荷もドライブできるオペアンプです。データシートによると出力ドライブ能力は600Ω,10Vrmsとなっています。

最後に

オペアンプによって音質が変わることを実感できて良い実験となりました。そうなるとOPA627AUやMUSESなど、1つ3000円以上するオペアンプは一体どんな音がするんだろうと興味が湧いてきました。今まででしたら正直手を出す気すらおきませんでしが、ちょっとそのうち試したいですねぇ。笑

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