ラズパイをモニタ・キーボードなしで動かそう!初期設定の方法を解説
この記事では、Raspberry Piをモニタなし、マウスなし、キーボードなし、LANケーブルなしで動かすための初期設定のやり方を解説していく。
ここで行う作業の流れは次の3つ。
- Raspberry Pi OSのインストール
- SSHの設定
- WiFiパスワードの設定
なお、SDカードの書き込みおよびSSHでのリモート操作はMacからで行った。また、本記事ではRaspberry Pi zero WHを使用したが、他のラズパイでも同様のやり方で初期設定できるので参考に。
❶ Raspberry Pi OSのインストール
Raspberry Pi OSイメージのダウンロード
まずはラズパイに入れるRaspberry Pi OSイメージを、こちらからダウンロードしておこう。以前はRaspbianと言う名前だったが、Raspberry Pi OSに名前が変わった。
今回はモニターを使わないので、CUIのみの軽量な Raspberry Pi OS Lite を選択する。
ダウンロードしたzipファイルを解凍すると2019-07-10-raspbian-buster-lite.imgのイメージファイルが展開されるので、これを適当な作業ディレクトリへ移動しておこう。
SDカードのパスを確認
OSを書き込むためのMicro SDカードを用意する。 ちなみに私は32GBのSDカードを選んだ。
MacにSDカードをセットしたらターミナルを開き、$ diskutil listでSDカードの場所を確認する。$ diskutil listを実行すると、次のようにSSDやSDカードなどの情報が表示される。
/dev/disk0 (internal):
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: GUID_partition_scheme 251.0 GB disk0
1: EFI EFI 314.6 MB disk0s1
2: Apple_APFS Container disk1 250.7 GB disk0s2
/dev/disk1 (synthesized):
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: APFS Container Scheme - +250.7 GB disk1
Physical Store disk0s2
1: APFS Volume Macintosh HD 176.5 GB disk1s1
2: APFS Volume Preboot 46.4 MB disk1s2
3: APFS Volume Recovery 509.7 MB disk1s3
4: APFS Volume VM 2.1 GB disk1s4
/dev/disk2 (external, physical):
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: FDisk_partition_scheme *31.0 GB disk2
1: Windows_FAT_32 NO NAME 31.0 GB disk2s1
SIZEから判定すると、私の環境では /dev/disk2 がSDカードになっている。この/dev/disk2をメモしておく。
- SDカードの場所は、人それぞれで異なるのでよく確認しよう。
- 間違ったパスで進めてしまうと、最悪Macのディスクも消去しかねない!
SDカードにOSイメージを書き込む
SDカードにOSイメージを書き込む前に、SDカードをMacに挿した状態でいったんアンマウントしておく。
次のコマンドを実行してアンマウントしよう。ただし、/dev/disk2のパスは各自SDカードのパスに変える。また、アンマウントしてもSDカードは抜かないように。
$ diskutil unmountDisk /dev/disk2
次に、OSイメージを書き込むため次のコマンドを実行する。
$ sudo dd if=2019-07-10-raspbian-buster-lite.img of=/dev/rdisk2 bs=1m
bs=1mをつけると、100速く書き込む事ができる。書き込みには時間がかかるため、進捗状況を確認したい場合は Ctrl + T を押してみよう。ちなみに私の環境では、2分程度で書き込みが完了。
❷ SSHの設定
Raspberry Piの起動時にSSHデーモンも起動させる
OSイメージが書き込めたところで、今度はラズパイ起動時にSSHデーモンを起動できるように設定をしよう。
MacのターミナルでSDカードのディレクトリへ移動。ただし、さきほどのパス /dev/disk2 ではなく、/Volumes/boot/ がSDカードのディレクトリとなっているので注意しよう。
$ cd /Volumes/boot/
次に $ touch ssh を実行して空のSSHファイルを作成しておく。これでラズパイ起動時にSSHデーモンが起動してくれるようになる。
❸ WiFiパスワードの設定
最後に、ラズパイ起動時に自動でWiFiに接続できるよう、WiFiパスワードの設定を行う。
SDカードのディレクトリ/Volumes/boot/で、$ vi wpa_supplicant.confを実行し、次の内容で新規ファイルを作成する。
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1
country=JP
network={
ssid="WiFiのSSID"
psk="WiFiのパスワード"
key_mgmt=WPA-PSK
}
WiFiのSSID と WiFiのパスワード は自分のWiFi環境のものに書き換える。今後、WiFi環境が変わった場合もこの wpa_supplicant.conf を書き換えればよい。
以上でSDカードの設定は終わり。Macのターミナルを終了させて、SDカードを安全に取りだそう。次からはいよいよラズパイを起動していく。
Raspberry Piを起動してSSHでアクセスしてみよう!
ラズパイにさきほどのSDカードを差し込み、ラズパイの PWR IN の端子にUSBなどで5V電源を供給しよう。設定がうまくできていれば、自動でWiFi接続されるはずだ。
WiFi接続できているかどうかを確認するには、ルーターの管理画面にログインする必要がある。また、SSHでアクセスするためにはIPアドレスが必要となるので、ルーターの管理画面で確認しておく。ルーターの管理画面は人それぞれ違うので、詳しい説明は省略する。
ラズパイの初期のIPアドレスとホスト名は次のようになっていた。
IPアドレス | ホスト名 |
---|---|
192.168.100.145 | raspberrypi |
またSSHなどのログイン情報は、次のように決められている。
ユーザー名 | パスワード |
---|---|
pi | raspberry |
以上の情報を元に、SSHでラズパイへアクセスしてみよう。Macのターミナルを開き、次のコマンドを実行する。聞かれるパスワードには、raspberry と入力する。
$ ssh pi@192.168.100.145
するとラズパイへSSHでアクセスできるはず。
pi@raspberrypi:~ $ pwd
/home/pi
SSHのリモート操作を終了したいときは $ exit コマンドを実行すればログアウトできる。ラズパイの電源はそのまま抜いて良い。また、今後のためにパスワードを変えることをオススメする。次のようにしてパスワードを変えることができる。
$ sudo passwd pi
以上で「ラズパイの初期設定/SSHでリモートアクセス」の説明は終わりだが、このままだと不便なことがいくつかあるので、余裕のある人はさらに続きを読み進めてもらいたい。
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Raspberry Piの参考書
本書は、全世界で多くのユーザーの支持を集めているマイコンボード「Raspberry Pi」を使いこなすためのレシピ集です。ハードウェアの基本、オペレーティングシステムの使い方、ネットワーク接続、Pythonプログラミングの基本を紹介した上デ、実際の作品製作に必要になる、高度なPythonプログラミング、GPIO(汎用入出力)、モーター、センサー、ディスプレイなどの使い方へと解説を進めていきます。
Amazon【その他の設定1】Vimで矢印キーが使えない
ラズパイに最初から入っているVimは、最小構成版のvim-tinyで、矢印キーが効かなくなっている。
Vimを再インストールすると矢印キーが使えるようになるので、現在のVimをいったんアンインストールし再インストールしておこう。
$ sudo apt-get --purge remove vim-common vim-tiny
$ sudo apt-get install vim
【その他の設定2】ホスト名の変更
SSHでログインする時に、毎回IPアドレスでログインするのは面倒だろう。そこでここではホスト名でログインできるようにしていく。
まずはラズパイへSSHでログインし、 $ sudo vi /etc/hosts を実行して次のように設定ファイルを編集する。
127.0.0.1 localhost
::1 localhost ip6-localhost ip6-loopback
ff02::1 ip6-allnodes
ff02::2 ip6-allrouters
127.0.1.1 0 #←ここを書き換えた
0がラズパイのホスト名。一文字だが、これでも立派なホスト名になる。好きな名前をホスト名にすれば良い。次に $ sudo vi /etc/hostname を実行し、記載されているホスト名を上記と同じものに合わせておく。そして$ sudo reboot でラズパイを再起動すれば完了だ。
先ほど設定したホスト名を入力して、SSHでログインしてみよう。ただし、ホスト名のあとに付ける.localをお忘れなく。
$ ssh pi@0.local
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