木材でメダカビオトープのトロ舟を作ってみた
SPFなどの木材の余り木で、メダカのビオトープを作ってみました。トロ舟を木材で囲われている方は沢山いらっしゃいますが、木枠そのものでビオトープをやられている方はなかなか見当たりませんでした。やはり木材ですと防水対策が大変だからでしょうか?そこで、シリコンシーラントを使って、木材を防水する方法で試してみることにしました。 ちなみにDIY大好きなので、 DIYで棚をつくってみた!2x4のSPF材で突っ張り棚 のように棚なんかも自作しちゃます。
0日目 (7/18) 木材ビオトープの制作
内径のサイズは、62cm x 42cm x 20cmですので、52リットルのビオトープになります。余ったSPF材をうまくつなぎ合わせてビオトープの箱を作ってみました。トロ舟ですと40リットルサイズとほぼ同じくらいになります。
設置場所はベランダですので、オイルステインで防水防腐対策を行います。また、底にローラーを取り付け移動しやすくしました。
水を張る内部は、シリコンシーラントを全体にベタ塗りします。シリコンシーラントには防カビ剤が入っているもあるのと入っていないものがあります。 色付きのものは防カビ剤が入ってますので注意しましょう。クリアですと防カビ剤が入っていませんので安心です。
隙間はもちろん、木材表面もまんべんなくシリコンシーラントを塗りました。また、内側の側面は黒色のフェルトを貼ってみました。見た目の問題と、苔が定着してくれないかと期待してです。シリコンシーラントをしっかり乾かしたのち、箱いっぱいの水を張りアク抜きをします。水を貼って2日間放置して水を捨てました。
10日目 (7/28) 底土を敷く
さて、メダカは本来ため池や田んぼなど、水の流れがほとんどない穏やかな場所に生息します。また、水面近くを泳いでエサを探すので、水深はそれほど深くなくて良いように思います。できるだけそういった環境に近づけられるようにしたいと思いました。
そこで荒木田土(あらきだつち)4リットルと矢作川砂(やはぎかわすな)2リットルを底に敷いてみることにしました。 荒木田土は、すでにバケツビオトープでメダカの飼育してます。ミジンコの卵が含まれているため、暖かくなるとミジンコが孵化して発生してくれます(ただし、いつのまにかミジンコは全滅してしまいました)。また、荒木田土は睡蓮や水生植物などを植えるのに重宝します。
一方、矢作川砂は普通の川砂よりも少し粒が大きい砂を使用しました。バクテリアの住処になればと思い、メダカビオトープでは初めてですが試してみることにしました。▼このように木の板でなんとなく敷居を設けて荒木田土を盛り上げました。
▼植えてある植物は、なんとクレソンです。菜園用のクレソンのタネが余っていたのでビオトープに使えそうだと思いました。
クレソンはオランダから輸入された植物で。繁殖力が強く、水辺などで自生しているようです。湧水の近くなら水中でも育つようです。クレソンの苗を作って、荒木田土に植え込みました。あくまでもビオトープ用なので、摘み取って食べたりはしません。メダカを飼うわけですから、生食ですと雑菌が怖いです。
また、ハイポネックス粉末肥料を加えてみました。こちらの肥料は水耕栽培でも使用でき、カリ成分の割合が多くなっているのが特徴です。
カリ成分が多いと、次のような効果が期待できます。
- 茎・根を丈夫にする
- 暑さ・寒さに対する抵抗力の増加
- 病害虫に対する抵抗力の増加
エアレーションをしながらこのまま2週間くらいなじませ、水草を追加しその後にメダカの引っ越しを行います。
17日目 (8/4) アナカリスの投入
購入したアナカリスを投入しました。
24日目 (8/11) 水草の投入
その後、マツモをビオトープへ入れました。マツモもアナカリスも安くて入手しやすく、丈夫で育てやすいです。
▼ この頃は水質チェックに無頓着でしたが、この日からちょうど1年後にTetra testを使って水質チェックをしてます。
31日目 (8/18) メダカの投入
ようやくメダカの投入です。旧ビオトープからメダカを一匹一匹掬い出し、いったんバケツに入れてスネールが混じらないようにします。その後、木材ビオトープへ移動させました。 急に環境が変わったため、メダカはかなり神経質になってます。そしてメダカは突然飛び跳ねて、ビオトープの外へでてしまいます。この現象はメダカの環境を変えると必ず起こります。
そこでメダカがなれるまでお風呂のフタをして飛び跳ねを防止することにしました。本当は透明なフタがあればベストなんですが。ずっと真っ暗なのはよくないと思ったので、日中はフタを外しました。しかし、フタを外せば飛び跳ね事故が起こります。こちらもドキドキしながらベランダのビオトープの様子を頻繁に確認します。飛び跳ねて外へでてしまったメダカを発見する心臓がドキッとします。慌ててビオトープへ戻します。幸い、まだ息をしているメダカなら数日すれば復活します。それでも残念ながら何匹か間に合わずに亡くなってしまいました。こちらも気が気じゃないです。1週間くらいはそんな状態が続きました。
さて、以前のビオトープよりも格段に広くなり、メダカの習性が変わりました。比較的群れて移動する様子が見られるようになりました。メダカは群れで生活する生き物だということに気付かされました。狭いビオトープでは陣取り合戦が目立ちましたが、新しいビオトープに移してからはそのような行動はほとんど見られません。
ビオトープを引っ越しする前までは、餌やりのたびに近づいてくるほどなついていたのですが、悲しいことに木箱へ引っ越してからはまったく警戒されます。メダカをすくいとる行動で恐怖感を与えてしまったのでしょうか、完全に信頼を失ってます(T_T)笑
32日目 (8/19) クレソン撤退、コナギの設置
ビオトープで育てているクレソンがいまいち元気がありません。同時期に土壌プランターで育てているクレソンと成長の差がはっきりあらわれてます。 原因は分かりませんがこれ以上の成長は見込めそうにないので、ビオトープのクレソンを撤退することにしました。
この日、とある水田から許可をもらい、コナギという抽水性植物を1苗頂いてきました。コナギは田んぼの雑草として有名で、ミズアオイに似た植物です。美味しいかどうかはともかく、食べることもできるそうです。田んぼがふるさとのメダカにとっては、ソウルフードならぬソウル植物といってよいのではないでしょうか。実際、コナギを設置したらメダカが嬉しそうにその周りを泳ぐようになりました。あまりの嬉しさでしょうか、コナギの茎に体当りしたりします。もしかして、コナギの葉についている虫を振り落とす習性なのかもと思いました。あくまでも憶測ですが。
34日目 (8/21) ツルヨシの設置
荒川をサイクリングしていたら、水路に抽水性植物を発見しました。コナギだけでは寂しいのでこの植物を拝借してビオトープへ設置することにしました。調べたところこれはツルヨシのようです。水中で茎が匍匐して増えていきます。
366日目 (7/19) あれから一年..
木材でビオトープの箱を制作してからちょうど1年が経ちました。その後の運用に問題ないかお問い合わせがありましたので追記いたします。 1年経ちましたが、水漏れや木材が腐るなどの心配は今のところはありません。木箱にビニールシートを被せられればさらに安心でしたが、まぁ見た目の問題もありましたからこんなもんでしょう。 フェルトは予想通り苔というか藻が定着してきてます。クレソンやコナギは残念ながら育ちませんでしたが、ツルヨシは強固に粘ってます。
メダカたちは元気に今年も卵を産みつけてますが、アナカリスが産卵床だと親が卵を食べてしまうようでなかなか針子がそだちませんでした。ですから、ホテイソウやスポンジの産卵床を作って入れることにしました。
メダカ以外にもタニシとミナミヌマエビを投入して共存させてます。 ▼ このように、たまに水流を作ってあげると喜びます。