スマホで使える自作ピンマイクの作り方|プラグインパワー方式、CTIA規格〜自作マイクの道その3〜

 

スマホで使える自作ピンマイクの作り方|プラグインパワー方式、CTIA規格〜自作マイクの道その3〜

YouTube動画撮影やライブ配信などで使える、スマホ用のピンマイク(ラベリアマイク)を制作してみました。ECM(エレクトレットコンデンサマイク)をスマホからの電源供給で動かします。つまりプラグインパワー方式です。端子は4極端子で、iPhoneなどの普及しているCTIA規格となります。

はじめに

自作マイク制作はシリーズ化してますので、その他の記事もぜひ合わせてご参考になさってみてください。

ECMはコンデンサマイクの一種ですので通常は電源供給が必要になります。通常スマートフォンでは、イヤホンジャックからマイクへ電源供給できるプラグイン方式を使うことができます。本記事でも、スマホのからECMへ電源供給できる回路図をご紹介いたします。

ピンマイクはAmazonなどでも安く売られていますが、自作することで製品性にはない音質の良さが期待できます。決して難しくはないので、ぜひ自作マイクにチャレンジしてみてください。

つかうもの

自作のピンマイク制作でつかうものをご紹介いたします。

ECM(エレクトレットコンデンサマイク)

ピンマイクやモバイル機器に使われるマイクロフォンのほとんどは、ECMというコンデンサマイクです。小型化できて扱いやすく、音質もそこそこ良いです。ECMには様々な種類がありますが、今回は音質に定評のあるWM-61A相当品を使用しました。秋月電子通商さんで購入することができます。

その他

その他に3.5mmの4極端子オス、2芯ケーブル、銅箔、熱収縮チューブなどを使用しました。

スマホで使える自作ピンマイクの作り方

4極端子のイヤホンジャックを想定したスマホ用のマイクを想定しています。イヤホンジャックがないiPhoneではライトニングからイヤホンジャックへ変換するアダプタが必要になりますのでご了承ください。

CTIA規格とOMTP規格

スマホの4極のイヤホンプラグには、CTIA規格とOMTP規格が混在しています。CTIA規格とOMTP規格では、マイク信号ととGNDの配線が異なります。iPhoneはじめ、ほとんどのスマホはCTIA規格ですので、ここでもCTIA規格で制作しました。

規格 T R R S
CTIA L R GND MIC
OMTP L R MIC GND

4極ジャックTRRS
4極ジャックTRRS

回路図

次の図は、今回制作した自作ピンマイクの回路図になります。ECMと4極端子、それに抵抗1つでプラグインパワーの外部マイクロホンが実現できます。

プラグインパワー方式のスマホ外部マイクの回路図
プラグインパワー方式のスマホ外部マイクの回路図

ECMの種類によって感度が違うため、実際に作ってみると音量にムラがあると思います。秋月電子通商さんで入手できるWM-61A相当品ですと、抵抗値を2.2kΩにするとちょう使いやすい音量でした。抵抗値は、好みの音量に合わせて2kΩ〜9kΩの範囲で調整いただけます。抵抗値が低すぎたり大きすぎたりすると、スマホ側で外部マイクと認識しないのでご注意ください。

制作の様子

次の写真は、実際にピンマイクを制作している様子です。ご参考になさってみてください。ECMをファンタム電源で動かす方法【自作マイクの道⑤】の記事で詳しく紹介してますが、ECM周りを銅箔でシールドすることでノイズ対策を施しています。接着剤はできるだけ使わずに、熱収縮チューブを活用して固定すると良いです。

自作ピンマイクの制作の様子
自作ピンマイクの制作の様子

自作ピンマイクの制作の様子
自作ピンマイクの制作の様子

自作ピンマイクの制作の様子
自作ピンマイクの制作の様子

最近(2023年現在)では、100均でもピンマイクを見かけるようになりました。100均ECMを改造、音質比較してみましたのでご参考ください。

ピンマイクですので、外で収録することもあるかと思います。その際に風が吹いていると、ボーボーといった風切り音が気になると思います。そういった場合は、ピンマイクにモフモフしたウインドジャマーを被せることで、風のノイズを抑えることができます。ウインドジャマーは、ユザワヤなどで売られているフェイクファーを使って自作もできます。詳しくはこちらの記事をご参考ください。

記事に関するご質問などがあれば、お問い合わせ までご連絡ください。
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