Bass Brass Fuzz【エフェクタ製作#11】

Bass Brass Fuzz【エフェクタ製作#14】

今回は、金管楽器のような音色になるベース専用のエフェクタを作ってみた。Fuzz回路を応用しているので「Bass Brass Fuzz」と名付けた。エフェクタ初心者の方でも簡単に作れて楽しめる回路となっている。

トランジスタ一石でオーバードライブやディストーション、ファズは作れないだろうかと遊んでいる間に閃いた。「そうだ、金管楽器のような音を作ろう」と。

回路は至ってシンプル。トランジスタ一石で作れる。こちらがその回路だ。

Bass Brass Fuzz Schematic
Bass Brass Fuzz Schematic

トランジスタと抵抗で過大増幅するFuzz回路を元に、ダイオードとコンデンサを負帰還へ挟んで金管楽器のような音色になるように調整した。ダイオードはゲルマニウムダイオードを指定しておく。シリコンだとザラつきが残り、歪みエフェクター感丸出しになってしまう。一方、ゲルマニウムだとほど良いトロミが残り自然なまろやか音色になる。

また、0.022μのコンデンサは高音成分を除去するローパスフィルタのような役割をする。数十pFから0.1μFの間で試行錯誤した結果、0.022μに決定した。

Bass Brass Fuzz Module
Bass Brass Fuzz Module

そして、ブレッドボードで実験しやすいようにモジュール化。

ちなみに、この回路の消費電流を計ったところ710μA(0.71mA)であった。9Vアルカリ電池(006P)で動かすことを考えると、電池の容量を500mAhと仮定したらなんと、704時間も稼働する計算になる。かなりエコなエフェクタではないだろうか。

さて、このBass Brass Fuzzを使って試奏してみたのでよかったら参考にしてもらいたい。より金管楽器っぽさを出すために、リバーブをほんの少しだけかけている。

どうだろうか?トロンボーンのような、それらしい金管楽器の音色に聴こえないだろうか。

ジャコパスのようなフレットレスベースの音も彷彿させる。ソロベースとしてはなかなか楽しいエフェクターである。

どんなベースでもそれなりの音は出ると思うが、より金管楽器の音色に近づけるにはフロントピックアップを絞り気味にして、リア側を指弾きすると良いだろう。

トロンボーンとBass Brass Fuzzの周波数特性
トロンボーンとBass Brass Fuzzの周波数特性

最後に、トロンボーンの音とBass Brass Fuzzの周波数特性を比較してみた。青色部分が基音で、緑色が2倍音、黄色が3倍音である。これを見るとトロンボーンは2倍音が豊富に含まれていることがわかる。ここら辺に、金管楽器の音色の秘密を解く鍵があるのかもしれない。

あとがき

今回製作したファズだが、実は非常に低い入力インピーダンスであることが判明した。つまり、アクティブ回路の入ったベースや、Bass Brass Fuzzの前にバッファをかましたりすると思うような音色が得られなくなる。この金管楽器のような音色は、どうもまぐれだったようだ(現在、バッファ入りの回路でこの音色の再現を模索中)。

また、ハイインピーダンスの楽器を低インピーダンスの入力へ接続すると、間にあるカップリングコンデンサのハイパスフィルタが可聴周波数帯まで影響してしまう。つまりベースの低音域がカットされてしまうわけだ。しかし、金管楽器の音色を作るに当たってこれが功を奏した。

先ほどの周波数特性の図を見てもらうと、Bass Brass FuzzのG1、D1では基音より2倍音の方が強くなっていてトロンボーンの倍音と似ているのが分かると思う。これは基音がハイパスフィルタのカットオフ周波数に引っかり減衰し、その結果2倍音が基音より大きくなっていると推測。

今回のFuzzの音色は偶然の産物ではあったが、やはり2倍音が基音より大きくなることで金管楽器の音色に近づけるような気がしてきた。そういうわけで、このBrass Fuzzは今後も研究対象とし、また何か発見があれば記載したいと思う。乞うご期待!

エフェクター製作にオススメの書籍

最後にエフェクターの電子工作でオススメな書籍を紹介しておく。どちらの書籍も大塚明先生が書いたもので大変良書だ。しかし、残念ながら現在廃盤になっている。品切れまたは高価格になっているので、もし安く手に入るようなら買っておいて損はない。

  • 専門的知識がない方でも、文章が読みやすくおもしろい
  • エレキギターとエフェクターの歴史に詳しくなれる
  • 疑問だった電子部品の役割がわかってスッキリする
サウンド・クリエーターのためのエフェクタ製作講座
サウンド・クリエーターのためのエフェクタ製作講座

パーツとハンダゴテとやる気があれば、あなたは必ずエフェクタ、音響機材を自作できる。全26機種の製作記事を一挙掲載。

AmazonRakuten
サウンド・クリエイターのための電気実用講座
サウンド・クリエイターのための電気実用講座

面白くないものはつまらない。 音や音楽に興味があるけど、電気の公式は見たくもない人、電気を「理科系」だと思っている人、勉強が嫌いな人、あなたのための本です。電気って、本当はすごく面白い。夢とロマンの世界なんです。それを知ってもらうために純粋文科系の私が書きました。読んでくれた人、ありがとう!これから読む人、よろしく!

AmazonRakuten

また、こちらは別の方が書いた本だが写真や図が多く、初心者の方でも安心して自作エフェクターが作れると思う。実際に製作する時の、ちょっとした工夫もたくさん詰まっているので大変参考になった。

ド素人のためのオリジナル・エフェクター製作【増補改訂版】 (シンコー・ミュージックMOOK)
ド素人のためのオリジナル・エフェクター製作【増補改訂版】 (シンコー・ミュージックMOOK)

大好評だった「ド素人のためのオリジナル・エフェクター製作」が、増補改訂版としてパワー・アップ!本書は、電気の知識が少ない人でも簡単にエフェクターを作れるようになるという超初心者向けの指南書で、今まで自作を諦めていた人でも必ず作れるよう分かりやすく解説しています!

AmazonRakuten

Amazonでお得に購入するなら、Amazonギフト券がオススメ!

\Amazonギフトがお得/

コンビニ・ATM・ネットバンキングで¥5,000以上チャージすると、プライム会員は最大2.5%ポイント、通常会員は最大2%ポイントがもらえます!
Amazonギフト券

\この記事をシェアする/