トランジスタのhfe測定方法
トランジスタでよく出てくる\(h_{FE}\)とは、トランジスタが持つ電流増幅率のことである。つまり、わずかなベース電流を流した時に流れるコレクタ電流の比である。同じ型番のトランジスタでも\(h_{FE}\)にバラつきがあるという。今回はテスターを使って\(h_{FE}\)を測定する方法を紹介する。
はじめに
はじめに、電子工作にオススメの書籍を紹介しておきます。
トランジスタのhfe測定方法
\(h_{FE}\)は、ベース電流\(I_B\)を流した時のコレクタ電流\(I_C\)の比であるから、それぞれの値が分かれば次式で求めることができる。
$$h_{FE}=\frac{I_C}{I_B}$$
そこで、図のような回路を組んで電流を測定していく。測定器は一般のテスタで構わない。
1MΩの抵抗には数μA程度の電流しか流れず、手持ちのテスタで測定できなかったため電圧を計ってベース電流を算出した。
たとえば、2SC1815のGRランクを測定してみると次の通り。
項目 | 値 |
---|---|
\(I_B\) | 6.82μA |
\(I_C\) | 2.1mA |
よって、\(h_{FE}\)を計算すると308となった。GRランクの\(h_{FE}\)は200〜400なのでその範囲に収まっている。
同様にして、他の2SC1815のGRランクも測定してみたところ\(h_{FE}\)は260〜310の範囲に収まった。ちなみに1MΩにかかる電圧は他のトランジスタでもほぼ変わらないので、コレクタ電流だけ測れば良いだろう。
ついでに、2SC1815のBLランク\(h_{FE}\)も測定してみた。BLランクになると\(h_{FE}\)は350〜700と電流増幅率が大きくなる。
20個ほど測定したところ、600〜650の範囲に収まった。GRランクもBLランクも50程度の差に収まるようだ。ベース電流が変われば、つまり1MΩの抵抗を変えれば\(h_{FE}\)の値も変わってくるため、これらのデータはあくまでも目安としよう。
ちなみに、\(h_{FE}\)が分かるとトランジスタの入力インピーダンス\(h_{IE}\)を求めることができる。その計算はまた後の記事で紹介したいと思う。
最初からテスターに\(h_{fe}\)を測れる機能が付いているともっと便利。
こちらの商品はトランジスタ専用のテスター。ゲームボーイのようなデザインで可愛らしい。