ファンクションジェネレータ【モジュラーエフェクタ制作】

ファンクションジェネレータ【モジュラーエフェクタ制作】
ファンクションジェネレータ【モジュラーエフェクタ制作】

モジュラーエフェクタ用のファンクションジェネレータを制作してみた。主にLFO用途なので、 周波数は0.16Hz〜1.6kHzの範囲となる。矩形波・三角波・正弦波の出力が可能。ただし、正弦波は三角波をソフトリミッターで加工した擬似的なものとなる。

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Function Generator Schematic
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こちらがその回路図である。

以前作った三角波発振器とソフトリミッター回路の応用だ。

上段のオペアンプ4558が、三角波と矩形波を同時に発振する回路である。発振周波数は、R1・R2・R3・Ctの値で決定する。

$$ f = \frac{R_2}{4CR_1R_3} \tag{1}$$

回路図では可変抵抗の100kΩもR1として含まれる。可変抵抗には、高精度で多回転式のヘリポット(ヘリカルポテンショメータ)を使った。

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また、Ctのコンデンサによって周波数レンジを大きく変えることができる。ここでは、トグルスイッチにより、0.047μFと470pFを切り替えられるようにしている。

よって、式1からこの回路の可変可能な周波数を計算すると0.16Hz〜1.6kHzとなる。ロータリースイッチでコンデンサの切り替えを行えば、もっと高域まで可変可能になるが主にLFO用の発振器なのでこれで良しとする。

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先ほどの計算のとおり、周期6秒ほどの超低周波まで発振するため、出力にはカップリングコンデンサをつけたくなかった。よって、両電源を使用し、プラスマイナス12Vで動かすことにした。そうすればバイアス電位を作る必要がなくなり、容量の大きなカップリングをつける必要もなくなる。また、発振器を他のモジュラーエフェクタと別電源にすることで、リップルの悪影響を少なくする狙いもある。

プラスマイナス12Vで動作すると、信号の出力が大きくて使いづらいためリミッター回路を入れている。2つの2Vツェナーダイオードで、Vpp=2Vに制限される。また、その前に入っている1kΩの抵抗は、ツェナーによる過電流を防止するためのもの。

次に、下段のオペアンプ5532の説明に入る。ここでは、ソフトリミッターによって三角波をクリップし、擬似的な正弦波を作り出している。詳しい説明は、こちらの記事を参考にしてもらいたい。

ソフトリミッターによってクリップされると、信号が小さくなるので後段のオペアンプで2倍の増幅を行い、もとの三角波と同じ大きさに戻している。また、非反転x非反転で三角波と正弦波の位相を同じにする役割も担っている。

5532以外のオペアンプでもまったく構わないが、5532は600Ωの負荷もドライブできるため何かと便利と思ったからだ。

リングモジュレータで使えそうな600Ω:600Ωのトランスを手に入れたので、それを直接ドライブしてAM変調の実験を行なっているところ。詳しくはこちらの記事を参考に。

ファンクションジェネレータ【モジュラーエフェクタ制作】
ファンクションジェネレータ【モジュラーエフェクタ制作】

最後に、両電源まわりの回路が右上の回路図となる。2連スイッチでオンオフを制御する。また、2つの10μFのコンデンサは電源回路を安定させるためのもの。

以上が今回作ったファンクションジェネレータ回路の説明となる。回路が少し大きいので、写真のように発振器とソフトリミッター部を分けて制作し、ドッキングできるようにした。ソフトリミッターを関数発生回路に置き換えれば、もっと高精度な正弦波にアップデートすることもできるだろう。

ファンクションジェネレータ【モジュラーエフェクタ制作】
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問題点の改善

今回、初めてエフェクタ回路にA23の12V電池を使ってみたが、ちょっと使用しただけで大きく電圧降下してしまった。最初は12V程度あった電圧も、ほんの数十分使用したら8Vまで下がってしまう。そのためか、しばらくすると発振が止まってしまう症状にみまわれた。正弦波モジュールを取り外すと、三角波と矩形波は安定して発振する。

9V電池2個の両電源に改造
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この原因が、電源によるものなのか分からないが、結局9V電池を2個使った電源に変えることにした。

また、この回路は単一電源で抵抗分圧によるバイアスを作っても動作しそうだが、実際に10kΩの抵抗でバイアス電位を作って動作させたところでは、超低周波で矩形波が歪んでしまった。電流が追いつかないせいだろう。バイアスの分圧抵抗を小さくすれば電流を増やせると思うが、今度はアイドリング時の無駄な電流が大きくなる。

よって、LFO回路は2電源でやるべきだと体験をもって実感した。電源の問題は、特に低域を伸ばしたいときに重要になってくる事柄だ。

一台あると便利!本格的な発振器

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A&D オシレーター 電子計測機器 AD-8626
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エフェクター製作にオススメな商品

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まずはハンダゴテ。電子部品のハンダ付けは20Wくらいのものがやりやすいです。ワット数が高すぎると熱くなりすぎて電子部品を壊してしまう恐れがあるからです。ただし、フォーン端子などの金属にハンダする場合は30W以上ないとなかなか温まりませんので注意が必要です。▼こちらのハンダゴテは温度調節できるようになってますので、どちらの場合でも対応できそうですね。

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▼自作エフェクタには定番のアルミダイキャストのケースです。加工しやすく頑丈で安心です。色々なサイズが選べます。

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▼穴の数が決まっていれば、すでに穴あけされているものもオススメです。素人ではなかなか上手にできない塗装もされていて、完成した時の見栄えが良いです。カラーバリエーションも豊富にそろってます。

Bサイズ 3ノブ穴あけ加工済み 焼付塗装ケース各種
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▼ジャック端子はある程度しっかりしたものを買いましょう。安ものはすぐヘタります。

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▼フットスイッチは一番負荷がかかる部品です。少し高いですが、長く使いたいならしっかりしと頑丈なものを選びましょう。

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▼私は秋葉原のトモカ電気かオヤイデ電気でケーブルを買うことが多いですが、CANAREのケーブルを一番オススメします。耐久性も良く長持ちしますし値段的にもリーズナブルです。

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こちらは別の方が書いた本ですが、写真や図が多く初心者の方でも安心して自作エフェクターが作れる内容となってます。実際に製作する時の、ちょっとした工夫もたくさん詰まっているので大変参考になりました。

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