自作モジュラーエフェクタ(モジュラーシンセ)の構想

モジュラーエフェクタの制作
モジュラーエフェクタの制作

ブレッドボードで実験しやすくするために、様々な電子回路モジュール作ってきた。モジュール化したことで、一度組み立てたものをもう一度組み立てるという冗長な作業がなくなり大変便利になった。しかし、モジュールも増えてくると抜き差しが面倒だったり、見た目の違いがわかりずらいためモジュール探しの手間が増えてくる。

そこで、よく使うモジュールはモジュラーシンセのようにラックへマウントできるような構想を考えてみた。

モジュラーエフェクタのラック制作

モジュラーエフェクタのラック制作1
モジュラーエフェクタのラック制作1

モジュラーエフェクタのラック制作2
モジュラーエフェクタのラック制作2

モジュラーエフェクタのラック制作3
モジュラーエフェクタのラック制作3

エフェクタ回路の実験の延長なので「モジュラーエフェクタ」とでも呼ぶとしよう。電源電圧は9Vの単一電源が基本だ。1つのモジュールの高さは10cm、幅は5cmである。横幅30cmの箱を用意し、6個マウントできるようにした。

この寸法だと、ホームセンターで手に入りやすいアルミ板や木材をちょっと加工するだけで制作できる。インターフェースは3.5mmのモノラルミニを採用した。

ちなみに、モジュラーシンセのラックは「ユーロラック」と呼ばれるもので、ラックマウントに合わせた3Uの高さ(128.5mm)で、1つのモジュールの幅は5.08mmが基本である。電源も±12Vの2電源となっている。

最初はユーロラックのサイズに合わせようと考えたが、そうすると材料の調達や加工の手間が増える。どうせ、ラックマウントなど使っていないのだから、独自規格で作っちゃえということでモジュラーエフェクタの制作に至った。これが偶然にも丁度良いサイズであった。

というのも、横幅30cmというのはノートパソコンや、オシロスコープなどの幅だったりして、身近に結構多いことが分かった。よく使う物差しも30cmだ。

日本では、一尺の30.3cmが使われてきたように、この30cmは自然と馴染みやすいサイズなのかもしれない。

ということで、30cmx10cmのスペースができるように木材でラックを作った。モジュールを固定できるように、木枠の上下にアルミ棒を設置。1つのモジュールにつき、四箇所固定できるようにネジ穴を作った。このネジ穴の位置は正確にすることは大変難しいので、モジュール側の穴を少し大きめにして誤差を調整できるようにした。

ラック内は銅箔テープを貼ってシールドした。

このラックの制作は1000円ちょっとでできた。しかも、材料はすべてホームセンターで調達したものだ。

モジュラーエフェクタの制作
モジュラーエフェクタの制作

エフェクタモジュールの制作

エフェクタモジュールの制作は現在進行形で続いている。発振器やフィルタ回路などよく使うものをモジュールにしていく予定だ。

とりあえず、電源供給モジュール、オーバードライブ、ローパスハイパスフィルタの3台をモジュール化してみた。こちらもセンターで手に入る20cm x 10cm x 1cm厚のアルミ板を4等分にしてガワにした。

モジュラーエフェクタの内部
モジュラーエフェクタの内部

電源モジュールは、9V電池2本を並列にしたものだ。並列にすることで長持ちするだけでなく、電源の出力インピーダンスを抑えられる。また、100uFのコンデンサも並列に入れ安定化させている。

オーバードライブとローパス・ハイパスフィルタはこちらの記事で制作したものをそのまま流用した。

パッチケーブルの制作

パッチケーブルの制作1
パッチケーブルの制作1

パッチケーブルの制作2
パッチケーブルの制作2

パッチケーブルの制作3
パッチケーブルの制作3

最後にパッチケーブルの制作を紹介。材料は、すべて秋葉原のトモカ電気で購入した。モノラルミニのジャックが1つ220円、ケーブルが1m100円なので、1つのケーブルあたり600円程度となる。手間隙を考えても製品を買った方が圧倒的に安かったが、自由な長さのケーブルを作れるのは自作のメリットの1つだろう。

記事に関するご質問などがあれば、お問い合わせ までご連絡ください。
エフェクタ製作オススメ商品

エフェクタ製作に必要なオススメの工具をご紹介します。

▼ ミュージシャンの方にお勧めされた白光のはんだごてを使ってます。少し高いと思われるかもしれませんが、もっと早く買っておけば良かったと思えるほど良いです。立ち上がりが早くてはんだごてのオンオフのストレスがなくなり、温度も熱くなりすぎないのでパーツを痛めることも少なくなりました。これ一本で基板のはんだ付けから、ジャックなど大きめのパーツもはんだ付けできます♪

▼ はんだで音が変わると言われるほどですので、ヴィンテージはんだから色々こだわる方もいらっしゃるかと思います。私はまだ研究しきれてませんので、とりあえず楽器、エフェクタのはんだ付けに定番のKESTER 44を使ってます。

▼ エフェクタケースはタカチかHAMMONDのケースになると思います。HAMMONDの方がエッジが立っていて、洗練されたデザインなので好きです(電波の発信源にはなりそうですが笑)。Amazonなんかで売られているのはHAMMONDの正規品ではなくクローンですが、使ってみて問題はない感じでした。

▼ ジャックやスイッチは故障しやすいので、少し高くてもそれなりのものを使ったほうが良いです。私が最近よく使っているのは、NEUTRIKのNMJ6HC-S、SWITCH CRAFTの12Aと12Bです。NMJ6HC-Sはサウンドハウスさんで安く手に入ります。12Aはプラグを抜くとスイッチがショートするタイプで、入力に使うと便利です。12Bはステレオなので電源スイッチと連動できます。

トゥルーバイパスでエフェクタ制作する場合は、フットスイッチをよく選んだ方が良いです。安物だとスイッチノイズが盛大にでます。どこのメーカーかは分からないのですが、端子が金メッキされているフットスイッチを選ぶとしっかりした作りなので安心できます。

オススメの自作エフェクタ本

エフェクターの電子工作でオススメな書籍を紹介します。どちらの書籍も大塚明先生が書いたもので大変良書だと思います。残念ながら現在廃盤になってしまい品切れまたは高価格になっている可能性が高いですが、もし安く手に入るようなら買っておいて損はないです!

  • 専門的知識がない方でも、文章が読みやすくおもしろい
  • エレキギターとエフェクターの歴史に詳しくなれる
  • 疑問だった電子部品の役割がわかってスッキリする

他にも自作エフェクターで参考になりそうなこれらの書籍を紹介しておきます。

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