ラズパイでカメラモジュールを使って定点観測する方法【タイムラプス/コマ抜き撮影】



この記事ではラズパイでカメラモジュールを使えるようにする方法と、そのカメラを使って一定時間置きに写真撮影をし、それを動画にするまでの方法を説明していく。

定点カメラのようなこの機能はスマホにも付いていて、iPhoneでは「タイムラプス」、Androidでは「コマ抜き」という低速度撮影の機能にあたる。

なお、ラズパイの基本的な設定はすでにできているものとする。
操作はMacのターミナルからSSHでログインして行った。

ラズパイの初期設定はこちらの記事を参考に

Raspberry Piのセットアップ!モニター、キーボードなしでMacからSSH

今回使用したラズパイは Raspberry Pi3 Model B+ となる。
最新のPi4zeroも、この記事の設定方法が使えると思う。









ラズパイでカメラモジュールを使えるようにする設定


それではさっそく、ラズパイでカメラモジュールを使えるようにしていこう。

今回ラズパイに接続するカメラモジュールは、OV5647 カメラモジュール を使った。1000円以下で買うことができる。

HiLetgo OV5647 5MP Raspberry Pi 3 カメラ OV5647 HDカメラモジュール Raspberry Pi に対応 A/B+/2 モデルB ケーブル

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ラズパイのrootログインを設定しておく

カメラを設定する上で、ラズパイのrootになる必要がるので先に設定しておこう。
ちなみに初期状態のラズパイはrootにパスワードが設定されていないため、rootにログインできない。

次のコマンドでrootユーザーにパスワードを設定しておく。

$ sudo passwd root

ちなみにパスワード設定を解除したかったら、次のコマンドで戻すことができる。
$ sudo passwd -l root


カメラを認識させる

それではいよいよカメラをラズパイに認識させてみよう。
ラズパイにカメラモジュールを接続したら次の手順で設定を行っていく。

$ sudo raspi-config5 Interfacing OptionsP1 Camera へと進み Yes を選択してカメラを有効にする。

再起動後、vcgencmd get_camerasupported=1 detected=1 と表示されればカメラモジュールが認識されていることになる。





ラズパイカメラで画像を撮影してみる


カメラモジュールをラズパイに認識させることができたら、実際にラズパイカメラで画像を撮影してみよう。

撮影を可能にするプログラムは、OS(Raspbian)にすでに標準でインストールされている。
raspistill というコマンドを使って撮影できるようになっているはずだ。

たとえば次のようなコマンドを実行してみよう。
$ raspistill -o photo.jpg


photo.jpgという画像ファイルが保存され、カメラに写っている景色が撮れたと思う。


ところでラズパイにモニターをつけてない場合がある。
その場合は、たとえばMacのターミナルから scp コマンドを使って、ラズパイにある画像ファイルをダウンロードして確認しよう。
$ scp pi@0.local:~/photo.jpg .









ラズパイカメラの画像ファイルに日付を追加する方法


ところで、ラズパイカメラで撮影する場合、いつ撮影した写真なのかをファイル名に残せたら便利だ。

そこでラズパイの時刻を自動で合わせられるようにしていこう。

ラズパイの時刻設定

時刻を手動で合わせてもラズパイにはハードウェア時計が装備されていないため、いくら設定しても再起動するたびに時間はズレてしまう。

だからラズパイの起動時にネット接続して、自動で時刻を合わせられるようにしておく。

$ sudo vi /etc/rc.localexit 0 より前の行に timedatectl set-timezone Asia/Tokyo の一行を追記し、ラズパイを再起動する。

これだけで時刻を自動で合わせてくれるようになった。

次のようにして、時間が正しいか確認しよう。
$ date
Tue Aug  4 09:12:40 JST 2020`



ファイル名に日付を追加

ラズパイに時刻の設定ができたところで、ファイル名に日付を入れる方法を紹介する。
次のコマンドを実行すると、20200804_092756.jpg のように日付入りでファイルを保存できる。
$ raspistill -o `date "+%Y%m%d_%H%M%S"`.jpg



ファイルサイズ(画質)の変更

ところでraspistill で撮影した写真は、デフォルトではファイルサイズが数MBあり大きすぎる。
画像サイズを小さくすることでファイルサイズを抑えることができる。
raspistill -w 480 -h 360 -o `date "+%Y%m%d_%H%M%S"`.jpg

この場合、2.4MBから119kBまで圧縮できた。



Macから写真撮影してプレビューする


写真撮影のたび、毎回ラズパイにsshでログインして撮影し、scpでファイルをダウンロードして確認というのはあまりに面倒だ。
そこでMac側の操作一発で写真撮影から写真表示までできるシェルスクリプトを書いてみたので参考に。
#!/bin/bash

HOST='pi@0.local'
DIR='photo'
FILE=`date "+%Y%m%d_%H%M%S"`.jpg

ssh ${HOST} "raspistill  -w 960 -h 720 -co 20 -awb shade -ex auto -o ${DIR}/${FILE} ; exit"
scp ${HOST}:${DIR}/${FILE} ${DIR}/
ssh ${HOST} "rm -f ${DIR}/${FILE}"
open ${DIR}/${FILE}


さらにディレクトリも自動生成できるようにすると、もっと便利かもしれないがそれは皆さんに任せる。



ラズパイでコマ撮り撮影する


写真の撮影に慣れたところで、いよいよコマ撮り撮影、タイムラプスをやってみよう。

ありがたいことに raspistill コマンドにはすでにタイムラプスのオプションが装備されているので、それでコマ撮り撮影が可能だ。

次のようにしてコマ撮り撮影する。
$ raspistill -t 30000 -tl 2000 -o photo/image%04d.jpg


上のコマンドの意味は、2秒おきに30秒間だけ写真を撮るという命令である。
-t-tl にはミリ秒で指定してあげる。

ちなみに1時間は3600秒、24時間だと86400秒。
秒をミリ秒に変換したい場合は1000をかければ良い。



SSHがログアウトしてもプログラムを継続実行させる


さて、長時間のコマ撮り撮影の場合、ラズパイとのSSH接続からログアウトしてしまう可能性があるだろう。
通常SSHでログインしてシェルを実行すると、ログアウトした時にそのシェルは停止してしまう。

そこで nohup というコマンドを使うことで、ログアウトしてもシェルを実行し続けるようにする。

nohup もまたOSに標準で実装されているのでインストールの必要はないはずだ。

こんな感じで使える。
$ nohup raspistill -t 86400000 -tl 30000 -w 960 -h 720 -co 20 -awb shade -ex auto -o tomato/image%04d.jpg > tomato/out.log &


これは30秒おきに1日撮影する設定で、色合の調整などのオプションも足している。

コマンドの最後の & はバックグラウンドで実行することを意味する。

nohup を使えば自由にSSHをログアウトできるので、再度ログインしてさきほどのシェルが継続しているか $ ps x などで確認してみよう。

また、nohup で実行中のシェルを止めたい時は、 $ ps x でプロセスIDを調べてその番号を kill すればよい。
$ ps x
  PID TTY      STAT   TIME COMMAND
 1202 ?        Ss     0:00 /lib/systemd/systemd --user
 1205 ?        S      0:00 (sd-pam)
 1418 ?        Sl     0:00 raspistill -t 86400000 -tl 30000 -w 960 -h 720 -co 20
 1464 ?        S      0:00 sshd: pi@pts/0
 1467 pts/0    Ss     0:00 -bash
 1479 pts/0    R+     0:00 ps x

$ kill 1418




コマ撮り写真をつなげて動画にする(avconv)


最後に撮影したコマ撮り写真をつなげて動画にしてみよう。

写真をつなげて動画にするには avconv が便利だ。
avconvは標準ではインストールされていないので、次のようにしてインストールしておこう。
$ sudo apt install libav-tools

もしインストールに失敗するようだったら$ sudo apt updateを一度実行してから再度試すとうまくいくかもしれない。

次のコマンドのようにして、撮影した写真をつなげて動画の作成ができる。
$ avconv -r 30 -i tomato/image%04d.jpg -vcodec libx264 -vf scale=960:720 tomato/timelapse.mp4




ラズパイカメラで定点観測してみた



いざ定点観測しようと思ったが、カメラの位置調整で日が暮れそうな時間までかかってしまった。
カメラを使う場合は、ラズパイにモニターがないと不便かもしれない。


さて、こちらが実際にベランダで定点観測してみた画像だ。

このカメラモジュールどうもフィルムカメラっぽい色合いになる。


映像に面白みはないかもしれないが、とりあえずタムラプス動画に成功ということで良しとしよう。


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raspistillのオプション


最後に、raspistill には記事では紹介できなかった機能がたくさんあるので、ヘルプを表示して確認しておくと良いだろう。

$ raspistill --help

parameter mean
-w Set image width <size>
-h Set image height <size>
-q Set jpeg quality 0 to <100>
-r Add raw bayer data to jpeg metadata
-o Output filename <filename> (to write to stdout, use '-o -'). If not specified, no file is saved
-l Link latest complete image to filename <filename>
-v Output verbose information during run
-t Time (in ms) before takes picture and shuts down (if not specified, set to 5s)
-th Set thumbnail parameters (x:y:quality) or none
-d Run a demo mode (cycle through range of camera options, no capture)
-e Encoding to use for output file (jpg, bmp, gif, png)
-x EXIF tag to apply to captures (format as 'key=value') or none
-tl Timelapse mode. Takes a picture every ms. %d == frame number (Try: -o img_%04d.jpg)
-fp Run the preview using the still capture resolution (may reduce preview fps)
-k Wait between captures for a ENTER, X then ENTER to exit
-s Wait between captures for a SIGUSR1 or SIGUSR2 from another process
-g Draw preview to texture instead of using video render component
-gc Capture the GL frame-buffer instead of the camera image
-set Retrieve camera settings and write to stdout
-cs Select camera . Default 0
-bm Enable 'burst capture mode'
-md Force sensor mode. 0=auto. See docs for other modes available
-dt Replace output pattern (%d) with DateTime (MonthDayHourMinSec)
-ts Replace output pattern (%d) with unix timestamp (seconds since 1970)
-fs Starting frame number in output pattern(%d)
-rs JPEG Restart interval (default of 0 for none)
-gps Apply real-time GPS information from gpsd as EXIF tags (requires libgps.so.22)
-sh Set image sharpness (-100 to 100)
-co Set image contrast (-100 to 100)
-br Set image brightness (0 to 100)
-sa Set image saturation (-100 to 100)
-ISO Set capture ISO
-vs Turn on video stabilisation
-ev Set EV compensation - steps of 1/6 stop
-ex Set exposure mode (see Notes)
-fli Set flicker avoid mode (see Notes)
-awb Set AWB mode (see Notes)
-ifx Set image effect (see Notes)
-cfx Set colour effect (U:V)
-mm Set metering mode (see Notes)
-rot Set image rotation (0-359)
-hf Set horizontal flip
-vf Set vertical flip
-roi Set region of interest (x,y,w,d as normalised coordinates [0.0-1.0])
-ss Set shutter speed in microseconds
-awbg Set AWB gains - AWB mode must be off
-drc Set DRC Level (see Notes)
-st Force recomputation of statistics on stills capture pass
-a Enable/Set annotate flags or text
-3d Select stereoscopic mode
-dec Half width/height of stereo image
-3dswap Swap camera order for stereoscopic
-ae Set extra annotation parameters (text size, text colour(hex YUV), bg colour(hex YUV), justify, x, y)
-ag Set the analog gain (floating point)
-dg Set the digital gain (floating point)



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