Arduinoでステッピングモータの制御|ユニポーラ型「28BYJ-48」と「ULN2003」ドライバ

Arduinoでステッピングモータの制御|ユニポーラ型「28BYJ-48」と「ULN2003」ドライバ
Arduinoでステッピングモータの制御|ユニポーラ型「28BYJ-48」と「ULN2003」ドライバ

こんなこと、やります。

  • Arduinoでユニポーラ型のステッピングモータを動かす
  • 可変抵抗でステッピングモータの角度を制御する

つかうもの

この記事でつかうものをご紹介いたします。

ステッピングモータ

ステッピングモータはユニポーラ型の28BYJ-48、モータドライバはULN2003を使用しました。下記のAmazon商品では、ステッピングモータとモータドライバが3個セットで破格のお値段になっております。

可変抵抗

可変抵抗は100kΩのBカーブを使いました。Bカーブ、10kΩ以上であれば、他のものでも構いません。

Arduino

Arduino Uno Rev3を使用しました。

▼ もちろん、ほかのArduinoをお使いになってもらっても構いません。

もしまだArduinoをお持ちでないようでしたら、 おすすめArduinoどれを選べばいい?Arduinoで電子工作をはじめる方へ をご覧ください。

開発環境

開発環境は下記の通り、MacBook上のPlatform IOで開発しました。

項目バージョン
パソコンmacOS Big Sur 11.0.1
統合開発環境VS Code x Platform IO

ステッピングモータについて

ここではステッピングモータについて説明します。

ユニポーラ

今回使用したステッピングモータはユニポーラ型になります。ユニポーラとは、1つの巻線に対し、一定方向の電流しか流さないステッピングモータです。トルクはそれほど高くできませんが。安価で購入しやすいのが魅力です。この記事でも、ユニポーラ型のステッピングモータを使用してます。

バイポーラ

一方で、バイポーラ型のステッピングモータもあります。こちらは1つの巻線に対し、双方向へ電流を流すステッピングモータです。トルクの高さが特徴です。ただし、回転速度を上げていくとユニポーラの方がバイポーラよりもトルクを高く維持できます。バイポーラ型のステッピングモータはユニポーラよりも割高で、3DプリンタやCNC機械などに使われます。

▼ バイポーラ型のステッピングモータも動かしてみたので、 Raspberry Piでステッピングモータの制御 をごご覧ください。

▼ また、CNCシールドを使って3DプリンタのようにGコードでステッピングモータを動かすこともできます。詳しくはこちらをご覧ください。

28BYJ-48の仕様

28BYJ-48は2相ユニポーラ型のステッピングモータになります。ステッピングモータのシャーシ内にギヤが内蔵されていて、そのギヤ比は1/64となります。トルクはかなり強めですが、動きはゆっくりです。無負荷のときの最高回転数は4秒で1回転となります。

項目内容
ギア比1/64
相数2相ユニポーラ
ステップ角5.625°
出力軸1回転のステップ数2048(2相励磁)
定格電圧5V
直流抵抗約22Ω(センタータップ - 各端子、テスターで実測)

28BYJ-48とULN2003のデータシート

28BYJ-48ULN2003の詳細はこちらのデータシートをご覧ください。 28BYJ-48データシート ULN2003Aデータシート

可変抵抗でステッピングモータを動かす準備

可変抵抗でステッピングモータを動かす
可変抵抗でステッピングモータを動かす

Arduinoやステッピングモータを準備します。

Arduinoとステッピングモータの配線

図のように、モータドライバULN2003のIN1〜IN4を、Arduinoのデジタルピン8、9、10、11番へつなぎます。Arduinoとは別の5V電源を用意し、モータドライバの±端子へつなぎます。

モータドライバの配線
モータドライバの配線

可変抵抗の配線

可変抵抗の両端1番、3番端子を、ArduinoのGNDと5Vへつなぎます。そして、真ん中の2番端子を、アナログピン0番へつなぎます。

Arduino、ステッピングモータ、可変抵抗の配線のようす
Arduino、ステッピングモータ、可変抵抗の配線のようす

可変抵抗の使い方は、 Arduinoと可変抵抗でLEDの明るさ制御 もご覧ください。

Stepperライブラリのインストール

次に、Arduinoで簡単にステッピングモータを制御できる、Stepperライブラリをインストールします。Arduino IDEのライブラリマネージャーから「Stepper」で検索してインストールしてください。

Stepperライブラリのインストール
Stepperライブラリのインストール

GitHub - arduino-libraries/Stepper: Stepper Library for Arduino

可変抵抗でステッピングモータの角度を制御

映像のように可変抵抗の位置に合わせて、ステッピングモータの角度を制御します。

可変抵抗でステッピングモータの角度を制御
可変抵抗でステッピングモータの角度を制御

動画の続きはこちらのYouTubeで見れます。 可変抵抗でステッピングモータの角度を制御【Arduino】 - YouTube

プログラム

こちらのがArduinoスケッチのソースコードです。ピン番号の指定を間違えないように注意しましょう。

rotate.ino
#include <Arduino.h>
#include <Stepper.h>

#define POT_PIN A0

#define IN1_PIN 8
#define IN2_PIN 9
#define IN3_PIN 10
#define IN4_PIN 11

#define stepsPerRevolution 2048  // 1回転のステップ数

Stepper motor(stepsPerRevolution, IN1_PIN, IN3_PIN, IN2_PIN, IN4_PIN);

int stepCount = 0;

int lastPotAngle = 0;
int motorAngle = 0;

int medianFilter(int s[], size_t len) {
    for (size_t i=0; i<len; ++i) {
        for (size_t j=i+1; j<len; ++j) {
            if (s[i] > s[j]) {
                int tmp =  s[i];
                s[i] = s[j];
                s[j] = tmp;
            }
        }
    }

    int m = len / 2;
    return s[m];
}

void stop() {
    digitalWrite(IN1_PIN, LOW);
    digitalWrite(IN2_PIN, LOW);
    digitalWrite(IN3_PIN, LOW);
    digitalWrite(IN4_PIN, LOW);
}

void setup() {
    Serial.begin(115200);
    motor.setSpeed(15);  // RPM (revolutions per minute)
}

void loop() {
    float v = float(analogRead(POT_PIN)) / 1023.0;
    int potAngle = int(360.0 * v);

    int diffPotAngle = potAngle - lastPotAngle;
    Serial.println(diffPotAngle);
    if(abs(diffPotAngle) <= 7) { // POTのセンサノイズとして無視する
        delay(10);
        return;
    }
    lastPotAngle = potAngle;

    while (motorAngle != potAngle) {
        int diffStep = -1.0 * float(diffPotAngle) * float(stepsPerRevolution) /
                       360.0;  // Pot -> CW, MOTOR -> CCW
        // Serial.print(diffPotAngle);
        // Serial.print(" / ");
        // Serial.println(diffStep);
        motor.step(diffStep);  // ステップ数
        stepCount += diffStep;
        motorAngle = potAngle;
    }

    //  stop();
    delay(10);
}

Stepperの初期化ですが、1,2,3,4の並び順だと脱調してしまってうまく回転できず、1,3,2,4の順番で上手くできました。

cpp
Stepper motor(stepsPerRevolution, IN1_PIN, IN3_PIN, IN2_PIN, IN4_PIN);

プログラムの解説

ステッピングモータ28BYJ-48は、2048で出力軸が1回転します。 Stepperインスタンスを生成する際にその値を指定します。ステッピングモータの最高回転数は4秒で1回転でしたので、1分間だと最大15回転ほどになります。myStepper.setSpeed(15);でRPMを15に指定しました。

myStepper.step(diffStep);では、ステッピングモータを1ステップづつ動かすことができます。負の値を入れれば逆回転になります。

可変抵抗値の回転範囲で、ステッピングモータが1回転するようにしました。可変抵抗から導き出された角度と、ステッピングモーターの角度が同じになるまでステップさせます。ステッピングモータでは、絶対的な回転角度を知ることができないため、可変抵抗の変化量(微分値)を元に動かすステップ数を決めてます。

今後の課題

今回の方法では、ステッピングモータ絶対的な角度や、初期の角度を知ることができません。 また、ステッピングモータは脱調によって角度計算が狂っていきます。脱調を防止するには、常にステッピングモータに電流を流し続けなければならないようです。 プログラム中では、消費電力節約のため、stop関数をつかってステッピングモータの電流をいちいちストップしてます。その結果、脱調が頻繁に発生してしまい、角度がどんどんズレてしまいました。

正確な角度を出したい場合は、ロータリーエンコーダを使って角度のフィードバックを行う必要があるでしょう。

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