STEINBERGER BASSの改造 エピソード1〜塗装はがし
スタインバーガーのベースを改造すべく、まずは塗装剥がしを行なってみました。主に剥離剤を使った方法で塗装を剥がしていきます。その様子を忘備録として残します。
塗装剥がしするベース、STEINBERGER BASS (Spirit)
YouTube動画でも度々登場しているスタインバーガーのこちらのベースを塗装剥がししてきます。
Amazonで購入できる低価格帯のものですが、作りはしっかりしていて扱いやすく気に入ってました。ただ、もう少しナチュラルなアコースティック感が欲しいなと思い、塗装を剥がしたらどうなるんだろう?と思って試すことにしました。
ヒートガンやアイロンの熱で塗装剥がし
ギターやベースの塗装剥がしでググると、色々な方法がヒットします。ドライアーやアイロンの熱を使った方法がヒットして、試してみました。ヒートガンでしばらく塗装面に当てたところ、沸々と泡のようなものが。その後、ヘラなどを使って写真のように塗装を剥がすことができました。
しかし、これだけでもかなり大変な作業でして、残りのボディーの面積を考えるとやる気が起きません。 他にも、ノミのようなものでゴリゴリ、ベリベリと塗装を剥がす方法とか。実は私も、以前に所持していた6弦ベースをこの方法で剥がしたことがあります。若い勢いでやり切りましたが、結構大変だったのと木材自体にも傷つけてしまってヤスリがけが大変になります。音の面からも、元の木材はできるだけ削りたくないですよね。
そこで、一番メジャーな方法である剥離剤を使った塗装剥がしを試してみました。
剥離剤を使った塗装剥がし
こちらの剥離剤を使ってみました。かなり危険な薬品なので、使用上の注意をよく読んでから安全対策を行なって作業してください。
剥離剤1LがAmazonで2000円ほどで購入できます。
剥離剤を刷毛などで塗装面に塗りたくります。換気の良い屋外で行なって下さいね。そのまま30分ほど放置します。下の動画のようにぶつぶつと気泡が湧いてきます(タイムラプス撮影)。
その後、ヘラを使うとサクサクっと塗装を剥がすことができます。塗装が完全に剥がれるまで、この作業をひたすら繰り返します。
上の動画ではニトリル手袋をして作業してますが、剥離剤が付着するとゴム手袋なんかも溶けてしまいますので注意が必要です。剥離剤が皮膚に付くとヒリヒリしますので、すぐに水で洗い流します。万が一目に入ったら危険極まりないので、ゴーグル着用して作業します。
表面も同様に作業します。もちろん配線系は必ずすべて外してから作業します。
ラップをしたらどうだろうかと思い試してみたり。それほど効果に違いはないような気がします。(ラップは溶けませんでした)
このようにだいぶ塗装が剥がれてきました。
ところでこう見ると、スタインバーガーってフライングVっぽい形ですね。
シーラー剥がし
青い塗装がほぼ剥がれ、ようやく終わりかと思ったら本当の木目はまだでした。よく見ると下地のシーラーが残ってます。下の写真でお分かりいただけますでしょうか?黄色がかったシーラー面から木の地肌が少しだけ見えてます。
実はここからが本番というか、一番大変な作業がシーラーの下地剥がしでした。ベースの木材にできるだけ傷をつけたくないので(ヤスリ掛けが大変になるから)、ここでも剥離剤を使いながらコツコツとシーラー剥がしを行いました。
剥離剤を塗ってもシーラーは表面の塗装ほどキレイには剥がれませんが、下の写真のようにザラついてきたあたりで鋭めのヘラでガシガシ削って剥がしていきます。
ちなみにヘラは、ペラペラせずしっかり厚みのある金属製で、先端が尖っているものつまり刃先のようになっているものがおすすめです。100均でも手に入ります。
横の部分も頑固な塗装なので、このように集中的に剥離剤を塗って塗装剥がしします。
ネックもガシガシとシラーをこそげ落とします。
【閑話休題】ピックアップの周波数特性測定
塗装剥がし、正直に疲れました(笑)ここで一休み、閑話休題です。
ベースギターの内部配線を解体する機会など機会などめったにない事なので、せっかく取り外したピックアップの周波数特性測定を測定してみました。
ピックアップの周波数特性を測定するために使ったものは、ミリバルとオシレーターそして テストボックス です。10kΩの抵抗とピックアップを繋いでその電圧比から、20kHz〜100kHzの間でインピーダンスを求めました。
テストボックスは、こちらの記事で製作したものです。
STEINBERGERベースのピックアップはハムバッキングです。ハムバッキングという名の通り、ハムノイズ(電源の50/60Hzノイズ)を打ち消しつつ、信号ラインを2倍の出力にするという優れた構造を持ちます。フタを開けてみるとシングルコイルが2つ並んでいるだけですが、お互いのピックアップのSN極性やコイルの巻き方を工夫してノイズだけ打ち消すというものです。マイク信号などのバランス信号に似てますよね。
さて、STEINBERGERベースのネックピックアップの周波数特性を調べた結果です。ハムバッカーなので4芯線あります。ハムバッカーとしての周波数特性に加え、シングルピックアップ単体の測定もしてみました。結果は次のとおり。
シングルピックアップ単体ではインピーダンス200kΩ以下ですが、ハムバッカーにすると2つのシングルコイルが直列接続になります。ですので、インピーダンスも2倍の400kΩ近くになりました。
塗装剥がし中間報告
剥離剤を使った塗装剥がしを開始してから4日経ちましたでしょうか。現在はこんな感じです。
シーラー部分はポツポツ残ってますが、これが限界と言いますが、飽きました(笑)剥離剤1缶(1L)では足らず、結局もう1缶購入して合計で1.5Lほど使ってしまいました。次はもう少し効率よく塗装剥がしできる気がします。シーラー部分は曲者なのでここからはヤスリで処理することにします。
ここまでで、塗装剥がしに使った道具をご紹介します。何かの参考になればと。
ここからはヤスリで残りのシーラを削り取りつつ、表面を滑らかにし、再塗装をどうするかを考えていきます。 以上で「STEINBERGER BASSの改造 エピソード1〜塗装はがし」の巻は終わりです。これ以降の作業内容は、 STEINBERGER BASSの改造 エピソード2〜研磨、再塗装 の記事をご覧ください♪