リバースDI(Re:AMP)をつくってみよう【モジュラーエフェクタ制作】

 

リバースDI(Re:AMP)をつくってみよう
リバースDI(Re:AMP)をつくってみよう

ダイレクトボックス(DI)の役割が、ハイインピーダンスをローインピーダンスに変換することであれば、この記事で紹介するリバースDIは、ローインピーダンスをハイインピーダンスに変換するものです。逆ダイレクトボックスと言ったところです。

「そんなの何に使うの?」と思われるかもしれませんが、多重録音などに使えます。リバースDIにライン信号を通せば、ギターのようなひ弱な信号へ変換され、キレイにエフェクタがかかるという訳です。

マイク・オールドフィールドのような多重録音マニアな方、つくってみませんか?

リバースDIの使いみち

冒頭に説明したとおり、リバースDIはライン出力などのローインピーダンスをハイインピーダンスな信号へ変換するために使われます。ライン出力をそのままエフェクタにつないでも、ギター信号とは違いキレイ効果が得られません。そんな時にリバースDIを使ってみましょう。

次の図のようにライン出力後に、今回制作するリバースDIの「Re:AMP」をつなぎます。

リバースDIの使いみち(Re:AMP)の使い所
リバースDIの使いみち(Re:AMP)の使い所

▼ 種類は少ないですが、リバースDI製品は立派に売られています。

ただし、お値段がアレなので自作するのも良いでしょう。完全オリジナルの自作回路ですが、よかったらご参考になさってみてください。

リバースDI「Re:AMP」の回路図

こちらが今回制作したリバースDI「Re:AMP」の回路図になります。

リバースDI「Re:AMP」の回路図
リバースDI「Re:AMP」の回路図

1kΩ:500kΩのトランスは、山水のST-14が使えます。

▼ このトランスは、以前パッシブDIを作ったときにも使用しました。

出力信号が大きすぎる

最初は、パッシブDIの入力と出力を単純に逆にすれば、リバースDIの完成だと思いました。しかし、実際やってみると都合の悪いことが起きます。インピーダンスの変換はできても、出力の信号レベルが大きすぎてしまうのです。

ST-14は、1kΩ:500kΩで、つまり巻数比は1:22.4になります。ですから、入力した信号は22倍もの大きさになって出力されます。

実際に測定してみたたところ、1Vppの信号が15Vppほどの大きさになってしまいました。15Vppと言えば、30Vもの振れ幅になります。通常のエフェクタ電圧である9Vを、ゆうに超えてしまいます。これでは、エフェクタがキレイにかかるどころではないですよね。

信号が大きすぎてエフェクタでクリップされる
信号が大きすぎてエフェクタでクリップされる

出力にアッテネータをつける

「出力を下げるためには、トランスの出力側にボリュームをつければ良い?」

ところが、それだとダメです。なぜなら、出力インピーダンスが変わってしまうからです。出力側のインピーダンスは、ピックアップのような固定ハイインピーダンスにしたいのです。ここでは500kΩですね。

入力にアッテネータをつける

そこで、入力側にアッテネータをつけて、ライン信号を減衰させることにしました。アッテネータは、T型アッテネータを使いました。T型アッテネータは、インピーダンスを変えずに音量を減衰できる特徴があります。

どの程度の減衰になればよいかは、次のように考えました。

まず、この「Re:AMP」は、ハンディレコーダーやiPhoneなどの民生機のライン出力を想定してます。民生機のライン出力は、大きくても1Vpp以内です。また、強く弾いたギターの生音は、500mVpp以上出ます。ですから、ライン信号の振幅がそのまま出力に出てくれればよいのです。トランスによる増幅は必要ありません。

これらを元に、T型アッテネータのインピーダンスを1kΩに設定し、減衰量を-19dB(約1/9)としました。回路図の800Ωと220Ωの抵抗がT型アッテネータになります。800Ωの抵抗は、330Ωと470Ωを直列にして使いました。

モジュラーエフェクタ化

回路を元に、基板をつくって「Re:AMP」をつくってみました。写真のように、モジュール化しました。

Re:AMPのモジュラーエフェクタ
Re:AMPのモジュラーエフェクタ

回路図には書いてませんが、スルースイッチを設けて原音と切り替えられるようにしました。

ギターの生音をレコーダで録音し、ライン出力ちょくの信号と「Re:AMP」を通した信号とで、エフェクターのかかり具合を比較してみました。とくに歪み系エフェクターだと違いがはっきりしました。ライン出力を直接エフェクターにつなぐと、音色が暗く、少し重たい印象になり不自然でした。しかし、「Re:AMP」を通すと臨場感やリアル感がでて、エフェクタの効果が自然になりました。

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こちらは別の方が書いた本ですが、写真や図が多く初心者の方でも安心して自作エフェクターが作れる内容となってます。実際に製作する時の、ちょっとした工夫もたくさん詰まっているので大変参考になりました。

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