ファズフェイスクローン回路の定数を最適化してみた「FUZZTUNE」
はじめに
NPNシリコントランジスタBC108で作るFuzz Faceクローン 回路の定数を最適化するためのエフェクタ「FUZZTUNE」を作ってみました。
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FUZZTUNE回路図
こちらはNPNシリコントランジスタBC108で作るFuzz Face クローンの元回路です。 この回路を元に、つぎのように可変抵抗やトグルスイッチを追加して定数調整できるようにしたのが「FUZZTUNE」になります。
解説
入力部分のB50Kは入力インピーダンスを変化させます。パッシブPUから直接ファズ回路へ接続する場合は効果はありませんが、アクティブPUやバッファエフェクタの後にファズを直結すると詰まった音になります。おそらく入力に流れ込む電流が大きすぎるのが原因だと思いますが、この可変抵抗によって電流を調整し、本来のファズの歪みに戻すことができます。
出力部分のSW1で切り替えている二つのコンデンサ、0.01uFと0.1uFはカップリングコンデンサで、ローカットフィルタの役割を担ってます。オリジナルのFuzz Faceでは0.01uFのようです。出力先の機材によってローカットの塩梅は変わってきます。ベースでもファズを使いたい場合は0.1uFがおすすめです。ギターなどで余分なローをカットしたい場合は、0.01uFにすると良いでしょう。
RV2の可変抵抗を大きくするにつれ、音量が上がるとともに、ローが盛り上がる感じがします。抵抗値を大きくし過ぎると、ローが多すぎて音像がはっきりしなくなります。いっぽう、RV3の可変抵抗を大きくするにつれ、シャープな音色に変化します。ただし音量は下がります。また大きくし過ぎると音が潰れて、ファズが動作しなくなります。RV2とRV3のバランス調整がFuzz Faceサウンドの秘訣になるでしょう。
動画
各ボリューム調整による音色変化を、こちらの動画でご視聴いただけます。
2SC1815 GRランクで作るFuzz Faceクローン回路
FUZZTUNEによる試行錯誤の結果、R4の値を8.2kΩから5.1kΩに下げてみました。その方がキレイに?歪む気がします。動画でも述べましたが、回路の定数はゲルマニウムトランジスタに最適化されたものであると考えられるため、シリコントランジスタでは定数を調整する必要があるのかもしれません。
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