自作エフェクター『Blender』の製作【原音ミックス/位相反転/パラアウト】





Blender(ブレンダー)とは?


今回作る『Blender』エフェクターは次のようなイメージである。


エフェクターと言っても、Blender自体に音色を変える要素があるわけではない。
Blenderとは次のような働きをしてくれる便利なエフェクターだ。

  • ギターの原音と、エフェクターを通した音をミックスさせることができる。


市販品だとラインセレクターがこの機能と同じ役割をもっている。

今回製作するBlenderは、単に音をミックスさせるだけでなく、位相反転スイッチもついている。

エフェクターによっては位相が反転してしまうものがあり、それを原音とミックスさせると打ち消しあってしまい困ることがあるからだ。

そこでエフェクターへ送る信号を位相反転するかどうかの選択ができるようにした。





Blenderは他にもこんな使い方ができる。


  • ① パラレル出力として使う
  • ② バッファアンプとして利用する


①は、RETURNを使わずに、例えばOUTとSENDで別々のアンプに繋ぐと言った感じでパラレル接続で使うことができる。

②はSEND、RETURNのどちらも使わずに、単にこのBlenderを通すだけだ。つまりバッファアンプとして、ハイインピーダンスをローインピーダンスに変換する使い方である。
バッファアンプを通すメリットは、高域の音質劣化を防ぎ、ノイズに強くなる。ギターのすぐ後、エフェクターの前につなぐと効果がある。





回路図


それでは回路図をみていこう。


今回はどうしても位相反転機能を付けたかったため、デュアルオペアンプを使うことにした。
オペアンプは4558を使ったが、入力インピーダンスが数M以上のものなら代替可能。

5532は入力インピーダンスが100kΩ程度しかないのでそのまま置き換えることはできないので注意が必要だ。5532を使いたいならば、INのところでFETバッファなど入れると良い。


バッファ回路

前段のオペアンプはバッファー回路となっており、ギターを直接受けられるように入力インピーダンスを高めに設定している。
104のカップリングコンデンサを挟んで、1MΩが並列に入っているので入力インピーダンスは500kΩとなる。


位相反転

後段のオペアンプは位相反転するための回路となっている。増幅率は1倍である。
SENDはエフェクターへ送る信号となる。ノーマルと反転のどちらかのモードを選べるように、トグルスイッチで切り替えられるようにしている。



バランサー

バッファ回路を通した原音と、エフェクターから返ってきたRETURN信号を、100kBの可変抵抗でミックスさせてOUTとしている。

注意点としては、出力先の機材の入力インピーダンスが十分に高いことを想定している。
そうでないと、バランスボリュームがほとんど効かなくなってしまう。

また回路の特性上、完全には原音とエフェクター音を切り分けることはできない。
ただしそこまで厳密な使い方はしないだろうから、これで良しとする。



バイアス電源

単一電源でオペアンプを動作させるために、9V電源を10kΩの抵抗二つで分圧し、中間の電圧をバイアスとして取り出している。10kΩと並列に入っているコンデンサは、バイアス電圧を一定に安定させるためのものである。





制作


最初はタッパーで組み立てようと思ったが、近くにあるパソコンノイズを思いっきり拾ってしまうため、タカチのアルミダイキャストで制作することにした。



穴あけ

アルミダイキャストの穴あけは、ステップドリルを使って行った。
サラダ油をドリルの刃に塗っておくと、刃が傷まずスムーズに穴あけできる。




塗装

アルミダイキャストは使っているうちに酸化して汚くなるので、ラッカー塗装をすることにした。


メタル用下塗りスプレーを吹きかけ、アクリルラッカースプレーの白を吹きかけていった。
一度に吹きかける量が多すぎたのか、ぶつぶつになってしまった。
その後、できるだけ薄く何度も重ね塗りしていった。
合計で10回ほど重ね塗りしただろうか、だいぶ見た目がマシになった。


配線

配線は汚いのであまり見せたくないが、一応こんな感じになっている。
メンテナンス性を考えると、レジストペンなどで基盤作成した方が良いと思う。
また、配線の色分けをした方が後々ラクだろう。



ボリューム装着

ボリュームのツマミが長すぎるので、金鋸でカットした。ボリュームとボディーとの隙間が狭くなって見た目がだいぶマシになる。



完成

手作り感満載な、感じになっているがなんとか完成とした。


最初、ジャックとボリュームを配置したところぶつかってしまい、ボリュームの穴を開け直すことになったため、ネジで穴をふさいでいる。
また既にいろいろ傷がついてしまって、使い込んでいる感じだが、紛れもなく出来たてホヤホヤのエフェクターである。







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最後にエフェクターの電子工作でオススメな書籍を紹介しておく。

どちらとも大好きな大塚明先生の書籍となる。
廃盤になっているようなので品切れか、高価格になっているかもしれないが、もしも安く手に入るようだったら絶対にオススメしておく。

  • 専門的知識がない方でも、文章が読みやすくおもしろい!
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