自作エフェクター「Blender」の製作・原音ミックス回路【エフェクタ製作#3】

この記事では、ギターやベースの原音とエフェクト音をミックスできる「Blender」という自作エフェクターの作り方を紹介する。Blender自体に音を変える役割は持っていないが、一台あるととても重宝する。ぜひ作ってみてはいかがだろうか。

自作エフェクター「Blender」の製作/原音ミックス回路

Blender(ブレンダー)エフェクターとは

「Blender」とは次のような役割を果たすエフェクターである。

Blenderエフェクターの働き図
Blenderエフェクターの働き図

図を見てわかるとおり、Blender自体に音色を変える機能があるわけではない。あくまでBlenderは、ギターやベースの原音と、エフェクターを通した音をミックスしてくれる働きをするエフェクターである。

市販品だとラインセレクターあたりが、似たような役割を果たしている。

One Control Minimal Series Mosquito Blender Trail with BJF Buffer/ワンコントロール エフェクター バッファー
One Control Minimal Series Mosquito Blender Trail with BJF Buffer/ワンコントロール エフェクター バッファー

ギターやベースの音作りを新たなステージへと引き上げるためのペダルです。 DRY、WETを個別にコントロールしてミックスすることができ、細かな音色の調整を実現。 それぞれのノブは最大設定でユニティゲインとなるため、接続するペダルによってはシグナルブーストのように使うこともできます。 そして、TRAILスイッチをonにすれば、ディレイやリバーブ等の残響を残したままエフェクトをバイパスしたり、発振したエフェクトのサウンドを出したままプレイを続けることができます。

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Donner ABY BOX ラインセレクター ペダル ギターエフェクター ミニー
Donner ABY BOX ラインセレクター ペダル ギターエフェクター ミニー

便利・コンパクトなサイズ(42×93.5×52mm ) トゥルーバイパスによって、透明感ある音を提供することができ、作業状態を示すLEDインジケータが搭載されています 信号回路をA/B→YまたはY→A/B切り替えます ACアダプターで変換されたDC 9V電圧を使用し、プラグのバレルはプラスで、中央はマイナスです 電源なしでも使え、電力供給は指示LEDのみ向けです。9Vアダプターは必要です(別売り)

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さて、今回製作するBlenderは、単に原音のミックスだけでなく、位相の反転を持たせてみた。位相反転を足した理由は、エフェクターによって位相が反転してしまうものがあるからだ。位相反転されたエフェクト音と原音をブレンドしてしまうと、音が打ち消しあってスカスカなサウンドになってしまう。だから、自作ブレンダーではエフェクターへ送る信号を、位相反転できるようにスイッチを設けることにした。

他にもこんな使い方ができるBlender

原音とエフェクト音のミックスだけでなく、Blenderは次のような使い方もできる。

  1. パラレル出力として使う
  2. バッファアンプとして利用する

❶は、RETURNを使わずに、OUTとSENDを別々のアンプに繋ぐといったパラレルアウトとして利用できる。

❷は、SEND・RETURNのどちらも使わず、単にこのBlenderを通すだけ。バッファアンプの役割として使う。バッファアンプを通すメリットは、高域の音質劣化を防ぎ、ノイズに強くなれること。

Blenderの回路図

それでは回路図をみていこう。

blenderの自作回路図
blenderの自作回路図

今回はどうしても位相反転機能を付けたかったため、デュアルオペアンプを使うことにした。オペアンプは4558を使ったが、入力インピーダンスが数M以上のものならこの回路でも代替可能。

5532は入力インピーダンスが100kΩ程度しかないのでそのまま置き換えることはできないので注意が必要だ。5532を使いたいならば、INのところでFETバッファなど入れると良い。

前段のバッファ回路

前段のバッファ回路図
前段のバッファ回路図

前段のオペアンプはバッファー回路となっており、ギターを直接受けられるように入力インピーダンスを高めに設定している。104のカップリングコンデンサを挟んで、1MΩが並列に入っているので入力インピーダンスは500kΩとなる。

位相反転回路

位相反転回路図
位相反転回路図

後段のオペアンプは位相反転するための回路となっている。増幅率は1倍である。SENDはエフェクターへ送る信号となる。ノーマルと反転のどちらかのモードを選べるように、トグルスイッチで切り替えられるようにしている。

バランサー回路

バランサー回路図
バランサー回路図

バッファ回路を通した原音と、エフェクターから返ってきたRETURN信号を、100kBの可変抵抗でミックスさせてOUTとしている。

注意点としては、出力先の機材の入力インピーダンスが十分に高いことを想定している。そうでないと、バランスボリュームがほとんど効かなくなってしまう。

また、回路の特性上、完全には原音とエフェクター音を切り分けることはできない。ただしそこまで厳密な使い方はしないだろうから、これで良しとする。

バイアス電源回路

バイアス電源回路図
バイアス電源回路図

単一電源でオペアンプを動作させるために、9V電源を10kΩの抵抗2つで分圧し、中間の電圧をバイアスとして取り出している。10kΩと並列に入っているコンデンサは、バイアス電圧を一定に安定させるためだ。

タッパで製作

最初はタッパーで組み立てようと思ったが、近くにあるパソコンノイズを思いっきり拾ってしまうため、タカチのアルミダイキャストで制作した。

Blender回路をタッパーに納めてみた
Blender回路をタッパーに納めてみた

アルミダイキャスト穴あけ

アルミダイキャストの穴あけは、ステップドリルを使って行った。サラダ油をドリルの刃に塗っておくと、刃が傷まずスムーズに穴あけできる。

アルミダイキャストの穴あけ
アルミダイキャストの穴あけ

アルミダイキャストの塗装

アルミダイキャストは使っているうちに酸化して汚くなるので、ラッカー塗装をした。

アルミダイキャストのラッカー塗装
アルミダイキャストのラッカー塗装

メタル用下塗りスプレーを吹きかけ、アクリルラッカースプレーの白を吹きかけていった。一度に吹きかける量が多すぎたのか、ぶつぶつになってしまった。その後、できるだけ薄く何度も重ね塗りしていった。合計で10回ほど重ね塗りしただろうか、だいぶ見た目がマシになった。

Blenderの内部配線

配線は汚いのであまり見せたくないが、一応こんな感じになっている。メンテナンス性を考えると、レジストペンなどで基板を作成した方が良いと思う。また、配線の色分けをした方が後々ラクだろう。

Blenderの内部配線
Blenderの内部配線

ボリュームのツマミをカット

ボリュームのツマミが長すぎるので、金鋸でカットした。ボリュームとボディーとの隙間が狭くなって見た目がだいぶマシになる。

ボリュームのツマミを金鋸でカット
ボリュームのツマミを金鋸でカット

Blenderの完成

手作り感満載な、感じになっているがなんとか完成とした。すでに傷だらけだが、紛れもなくできたてホヤホヤのエフェクターだ。

自作Blenderエフェクター完成
自作Blenderエフェクター完成

自作Blenderエフェクター完成

エフェクター製作にオススメの書籍

最後にエフェクターの電子工作でオススメな書籍を紹介しておく。どちらの書籍も大塚明先生が書いたもので大変良書だ。しかし、残念ながら現在廃盤になっている。品切れまたは高価格になっているので、もし安く手に入るようなら買って損はないだろう。

  • 専門的知識がない方でも、文章が読みやすくおもしろい
  • エレキギターとエフェクターの歴史に詳しくなれる
  • 疑問だった電子部品の役割がわかってスッキリする
サウンド・クリエーターのためのエフェクタ製作講座
サウンド・クリエーターのためのエフェクタ製作講座

パーツとハンダゴテとやる気があれば、あなたは必ずエフェクタ、音響機材を自作できる。全26機種の製作記事を一挙掲載。

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サウンド・クリエイターのための電気実用講座
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また、こちらは別の方が書いた本だが写真や図が多く、初心者の方でも安心して自作エフェクターが作れると思う。実際に製作する時の、ちょっとした工夫もたくさん詰まっているので大変参考になった。

ド素人のためのオリジナル・エフェクター製作【増補改訂版】 (シンコー・ミュージックMOOK)
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