そうだ、パッシブ仮想GND電源モジュールを作ろう!

 

オペアンプを単一電源で動かすときに、交流信号を扱う場合だとバイアス電位が必要になる。バイアス電位とは仮想GNDのことで、要はオレオレアースである。

実験の度に、いちいちバイアス回路を組むのは面倒だ。そこで、9V電池とセットで仮想GNDをモジュール化してみた。抵抗で分圧するだけなので「パッシブ仮想GND電源モジュール」とでも呼ぼうか。

そうだ、パッシブ仮想GND電源モジュールを作ろう!

パッシブ仮想GND電源モジュールの回路図

パッシブ仮想GND電源モジュールの回路図
パッシブ仮想GND電源モジュールの回路図

今回実際につくった回路図がこちら。オペアンプを単一電源で動かす時に、非常によく使われるバイアス回路である。抵抗で分圧するだけなので至って簡単だ。

回路図の10μFのコンデンサは、バイアス電位を安定させるためのもの。これは絶対に入れておいた方が良い。

また、実験に使いやすいように、スイッチとLEDライトもつけてみた。

ただし、このパッシブ仮想GNDは大きい電流が必要とされる回路には不向き。そういう場合は、次のオペアンプで作るアクティブ仮想GNDか、または素直に正負電源を用意しよう。

自作したパッシブ仮想GND電源モジュール
自作したパッシブ仮想GND電源モジュール

このように、電池と一緒にまとめることでバイアス電源を抽象化することができた。見た目もかなりコンパクト、机やブレッドボードのスペースを占有しない。

アクティブ仮想GND

アクティブ仮想GND回路図
アクティブ仮想GND回路図

ちなみに、仮想GNDはオペアンプでやる方法もある。アクティブ仮想GNDとでも呼ぼうか。回路はこんな感じ。見ての通りバッファ回路である。抵抗分圧のパッシブ型よりこちらの方が、インピーダンスを低くできるためバイアス電位としては安定するはず。しかし、高級機材を作るわけでもないから抵抗分圧がたのパッシブ仮想GNDで今のところ問題はない。

このアクティブ仮想GNDは、レールスプリッタと呼ばれるICとしてモジュール化されたものが販売されているようだ。バイアスを自分で作るのが面倒という方は、そういった製品を使ってみるのも良いかもしれない。

あとがき

電流計の取り付け
電流計の取り付け

その後、このパッシブ仮想GND電源モジュールは大活躍している。大規模で立派な完成された機材を作るより、このように変更可能な小さなモジュールを作る方が、長く役に立つことをだんだん身に染みてきた。プログラミングなんかはまさにモジュール化(関数やフレームワーク化)が重要な世界。そういった経験が電子工作にも生かせるようになってきて、やりたい事や実験したい事の作業が捗ってきた感がある。ブレッドボードでまた同じ回路を組む可能性があるとしたら、モジュール化することをお勧めする。

さて、写真のように電流計を取り付けてみた。エフェクター回路ではいかに長持ちするかが重要なパラメータになってくるので、消費電流を意識することはかなり役に立つはず。

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