スピーカー製作!ALTEC 604-8Hのエンクロージャーを作ってみた
2ウェイ38cm同軸型スピーカーユニット「ALTEC 604-8H」をヤフオクで手に入れることができた。
そのエンクロージャーを製作する記事である。エンクロージャーとはスピーカーの箱で、英語ではCabinetとも呼ばれる。
0日目 エンクロージャー設計図 (7/12)
ALTEC 604に関する情報を集めていると、もともとこのスピーカーを納める箱はALTEC 620とALTEC 614があるようだ。620はスタジオモニター用の箱だが、614は家庭でも扱える少し小型のサイズになっており銀箱などとも呼ばれ親しまれている。
これらのキャビネットの設計を参考に独自の設計を行うことにした。
補強材など入れない状態での箱内部の体積は151リットルとなる。
バスレフの設計の記事も書いたので参考に
15日目 エンクロージャーの組み立て (7/27)
東急ハンズにて15mm厚のMDF板3枚を設計図の通り加工してもらった。東急ハンズの値段は高めだが、ホームセンターでは出せない精度で加工してくれる。くり抜きや丸穴加工も丁寧にやってくれる。
後日、届いた木材を組み立てていく。接着は木工用ボンドのみで、釘などは使用していない。100均のクランプで固定したり、自重の重みで圧着したりうまい具合に工夫して強度を出していく。
23日目 エンクロージャーの補強 (8/4)
書籍「スピーカー&エンクロージャー百科」を参考に補強を考えていく。
佐伯多門、1955年より、ダイヤトーンスピーカーの開発設計に従事。40年にわたり多くのスピーカーシステムを開発。また、スピーカー用新素材や新技術を開拓。
Amazon下の写真はエンクロージャーのV型補強浅だ。バッフル板と裏板を直線で補強してしまうと同相で動きやすくあまり補強にならないようなので、裏板の一番強度の高い部分からVの字にバッフル板を支えることで大きな補強効果を狙っている。
さらに余りの木材で補強を重ねていく。
スピーカーユニットのは大変重いのでフレーム周りの補強に苦労する。使ったボンドの量も大量だ。
スピーカー端子と吸音材はAmazonで購入できるこちらを利用した。東京防音の吸音材はグラスウールと違いチクチクせず扱いやすい。自己消火性もあり安心だ。
25日目 ネットワーク回路 (8/6)
604-8Hのネットワーク機械の中身を覗いてみた。トランスみたいなものがあるが、これはコイルである40年くらいは経っているだろうか。古い部品だがボリュームなどもガリがなくまだまだ使える。
25日目 スピーカーケーブルの制作 (8/6)
スピーカーケーブル製作。こちらもそれぞれアマゾンで購入したものだ。
YFF 無酸素純銅スピーカーケーブル 高純度OFC 錫メッキ銅スピーカーケーブル (16AWG-05M)
Amazon絶縁のため熱収縮チューブを巻くが、ピンに比べケーブルの直径が小さかったので、ビニールテープを巻いて段差が急すぎないようにした。ケーブルとピンの噛みしめでは、一点のネジは銅線剥き出しで締め、もう一点は被膜残したまま一部くり抜いて締めた。1.5mで寄生容量や抵抗もほぼないことを確認した。
26日目 塗装 (8/7)
夏に塗装をするのは良くないようだが塗装をしてみた。経験的にMDFは水や湿気に弱いので塗装でコーティングが絶対に必要だ。今回はシーラーをローラーで二度塗りしさらに表面塗装を2度塗りした。シーラーの成分は合成樹脂(アクリル)、顔料、水でできている。顔料が白なので上塗り塗装の発色が良くなるようだ。
そして台風が来る前に塗装を完成させた。
30日目 スピーカー完成 (8/11)
ネットワーク回路とスピーカーユニットを埋め込み完成!
オモイ。。。デカイ。。。
机の上に置くのは無理があるかもしれない。肝心の音は、低音が弱い感じだ。設置面での問題もあるだろうか。土台がテーブルの上であるのも安定感に欠けるだろう。またダクトは614や620とだいたい同じ大きさにしただけなので根拠がない。今後ちゃんとした設計調整が必要かも知れない。
インシュレーターが4点より3点の方が安定する原理のように、スピーカーを傾かせて三点で支えてみた。
60日目 セッティング、調整 (9/10)
スピーカー完成後、低音の量感に欠けることを気にかけていた。そしてふと気づいた。ALTEC 604-8Hは広い部屋でも十分鳴らせるスピーカーなはずだ。だから、そもそも高域が大きめに出力されるよう設計されているのではないだろうか?
なぜなら広い部屋で聴く場合、リスニングポイントで高域は減少傾向にあるからだ。だからその場合でもこもった音にならないように高域を少し大きく出力されるようネットワーク回路を組んである。つまり低音が出ないのではなく、中高音域が大きすぎたのだ。私のようにスピーカーが近くにある場合は、ツイーターをガツンと絞るのが正解だろう。その結果、だいぶ上品で聴きやすい音になった。
また、スピーカーの向きも横置きに変えてみた。机の強度を強くし、木材挟んで3点で支えた。巷で流行っている10円玉インシュレーターも挟んでみたが効果のほどはわからない。横にしたことで安定感がまし、この向きの方が低音も聴こえやすくなったことは間違いない。
今回のスピーカー製作で役立った書籍
佐伯多門、1955年より、ダイヤトーンスピーカーの開発設計に従事。40年にわたり多くのスピーカーシステムを開発。また、スピーカー用新素材や新技術を開拓。
Amazonマスターブックシリーズ第2弾となる本書では、ダイナミックスピーカーの動作原理からT/Sパラメーターの意味、密閉型/バスレフ型エンクロージャー設計の実践的解説に加えて、Scan-Speak製ユニットを使った2Wayスピーカーシステム製作のコンプリートレシピを掲載。
Kindle参考サイト
最後まで読んでいただきありがとうございました。
「この記事が参考になったよ」という方は、ぜひ記事をシェアをしていただけるととても嬉しいです。
今後も有益な記事を書くモチベーションにつながりますので、どうかよろしくお願いいたします。↓↓↓↓↓↓↓