Google依存からの脱却〜Googleを使わない生活
最近、Googleは、検索エンジンのデフォルト設定契約や広告市場での独占的行為が問題視され、米国や日本などで独占禁止法違反で訴訟や調査の対象となっています。特に、スマートフォンやブラウザでの競争制限が指摘されています。
そしてAIの分野でも、ChatGPTにまだまだGoogleのAIは勝てないというイメージが強いです。私自身も、ググるよりもChatGPTに聞くことが格段に増えました。
私がインターネットを始めた2000年代前後は、検索エンジンといえばYahooやインフォシーク、Googleなど様々な会社が競い合っていて、その様子はエキサイティングでした。中でもGoogleは検索窓しか表示しないシンプルなインターフェースが印象的でした。当時の回線速度は非常に遅かったため、Yahooなどの情報掲載型よりも、Googleのように余分なコンテンツを表示しない方が表示が早く、Googleのミニマルなコンセプトに魅力を感じていました。
そんなGoogleですが、今ではあらゆるサービスをGoogleに依存しています。今日ではGoogleなしでは仕事も成り立ちません。よく使っているのを列挙すれば、以下あたりでしょうか?
- Chrome
- 検索エンジン
- スプレッドシート
- Gmail
- Google カレンダー
- Google マップ
- YouTube
- Adsense
これ以外にもGoogle PhotoやAnalytics、Firebase、Android端末だったりと、細かいところを考えるとまだまだ出てきそうです。
完全にGoogle依存から脱却することは難しいですが、依存しすぎるのも危険だと感じています。この機会に、日常生活や仕事のインフラとなっているこれらのサービスを、新たにどう代替するかを考えたいと思います。既存のものを見直し、新たな挑戦を模索する良い機会になるかもしれません。
ブラウザ:ChromeからFireFoxへ
Firefoxに乗り換えてみました。まだ拡張機能などは試していませんが、特に問題はなさそうです。HTMLの開発者モードもChromeとほとんど操作性が変わらず、仕事でも十分に使える印象です。たとえば、Shift + Command + C で特定のDOM要素に即アクセスできる機能や、ネットワーク帯域の制限も可能です。開発者モードに関しては、むしろFirefoxの方が使いやすい部分もあります。
ただし、JavaScriptでは、Chromeで動作するのにFirefoxでは動作しない現象が見られる場合があります。逆のケースもあるかもしれません。
また、iPhoneやAndroidの挙動をPCで確認したい場合は、SafariやChromeで動作確認する方が無難でしょう。
Internet for people, not profit — Mozilla Global
検索エンジン:GoogleからDuckDuckGoへ
Google検索の代替としてYahoo! JAPANがすぐに思いつくかもしれませんが、Yahoo! JAPANの検索エンジンはGoogleのものを使っているため、Google脱却にはなりません。
調べたところ、DuckDuckGoが良さそうです。DuckDuckGoはプライバシー保護を重視しており、検索上位にスポンサーサイトが表示されない点が煩わしくなくて良いです。
実際にDuckDuckGoを使ってみましたが、特に問題は感じません。また、iPhone用のDuckDuckGoブラウザアプリも非常に使いやすく、デフォルトブラウザとして設定しました。閲覧履歴をこまめに消したい方や、プライバシーを気にする方にはおすすめです。
DuckDuckGo - Your protection, our priority.
スプレッドシートからLibreOffice Calcへ
Googleスプレッドシートの代替として、Microsoft ExcelやLibreOffice Calcが考えられます。LibreOffice Calcはオープンソースでオフラインでも使用可能で、特に便利です。 仕事上、スプレッドシートを完全に使わないわけにはいきませんが、可能な限りLibreOfficeを積極的に使っていこうと思います。
Calc | LibreOffice - オフィススイートのルネサンス
Gmailはそのまま
Googleアカウント作成自体がGmailに依存しているため、Gmailをやめるのは現実的ではありません。また、あらゆるWebサイトのアカウント作成にGmailを使用しており、変更には手間がかかります。
ProtonMailやOutlookなども代替案として考えられますが、現時点ではGmailが使いやすくので、このまま利用を続ける予定です。ProtonMailは暗号化メールを提供しており、セキュリティを重視する場合に適しています。
Googleカレンダーからバンドルカレンダーへ
Googleカレンダーから、iPhoneやmacOSに標準装備のカレンダーアプリに移行しました。移行に関して特に問題はなく、使い勝手も良いです。もちろんiPhoneとmacOSのカレンダーは、iCloud経由で同期されます。
Google MapからOpenStreetMapへ
Google Mapの代替として、OpenStreetMapやApple Mapsを試しています。OpenStreetMapはコミュニティが提供する地図情報で、登山が趣味の私には非常に適しています。また、YAMAPや地理院地図も活用しています。山道や細かな地図情報はGoogle Mapでは満たせない場合が多いため、これらの選択肢が便利です。
YouTubeは観ない!?
YouTubeの代わりに、NetflixやAmazon Primeなどのサブスクリプションコンテンツを楽しむ方法があります。また、TikTokのような短編動画プラットフォームも人気です。ただし、ラジオを聴いたり読書に時間を使って、極力「動画を観ない」という選択肢も検討しています。
Adsenseから課金ビジネスへ
ブログやサイト運営においてAdsenseを利用している方は多いと思います。私自身も個人でアプリ開発を行っており、AdsenseだけでなくAdMobのお世話にもなっています。広告収入(アフィリエイト)は重要な収益源であり、完全に広告を排除するのは難しいですが、やりすぎた広告は控えるようにしています。 また、広告を削除できる課金システムを導入したり、広告に依存しないビジネスモデルを模索しています。私自身、広告表示を嫌う傾向があるため、YouTubeではPremium登録をして広告を非表示にしています。課金で広告を削除できないアプリは自然と使わなくなっています。
挑戦を通して得たこと
やはり、私はGoogle依存症でした。どっぷり浸かっていたGoogleという名のぬるま湯に心地よさを感じていたのです。他のサービスに変えてみましたが、確かに不便さを感じることもあります。
しかし、少し使い勝手が悪くても、それが悪いことだとは限りません。Google以外のサービスを使う新鮮さや、楽しさをたくさん発見できます。また、こんなにも多くの有志たちが素晴らしいサービスを提供していることに気付き、感銘を受けました。これらのサービスを応援し、支えることも一つのやりがいだと思います。
もちろん、完全にGoogleを排除するのは難しいですが、依存度を下げるだけでも、日常生活や仕事の中で新たな発見や工夫が生まれます。
広告ビジネスについて思うこと
最後に、広告ビジネスについて思うことを述べ、この記事を締めたいと思います。
広告の歴史は非常に長く、多岐にわたります。古代エジプトやローマ時代にはすでに商人たちが自分の商品を宣伝するための手段として、壁画や看板のようなものが使われていました。その後、活版印刷の発明により広告は急速に進化し、18世紀の新聞広告や19世紀の雑誌広告へと発展しました。そして20世紀にはラジオやテレビといった新しいメディアが登場し、広告の形態はさらに多様化しました。
現代においては、インターネット広告がその中心的な存在となっています。検索エンジンの広告やソーシャルメディアの広告、動画広告、リターゲティング広告など、その種類は数えきれないほどです。Googleをはじめとするインターネット企業が広告収益を基盤とするビジネスモデルを構築したことで、広告は私たちの生活の至るところに溶け込んでいます。加えて、XやInstagramなどのプラットフォームでは、広告収益を目的とするインフルエンサーの存在も一般的となり、個人規模でも広告が身近なものとなっています。
しかしながら、こうした広告ビジネスには課題もあります。発信者がインプレッションを稼ぐことに重点を置きすぎる結果、コンテンツの内容が偏りがちになるという点です。つまり、バズを狙った過激な表現や話題性重視のコンテンツが増え、視聴者にとって質の高い情報や体験が提供されにくくなる傾向があります。この現象に対する不満を感じているのは、私だけではないでしょう。
こうした状況の中、課金型のサブスクリプションサービスの需要が増加しているのも納得できます。NetflixやSpotify、さらには有料ニュースメディアなど、広告に依存せず収益を得るモデルが支持されているのです。また、私自身も最近では情報収集の手段として書籍を購入する機会が増えています。広告に左右されない情報や価値あるコンテンツを求める動きは、今後ますます強まるのではないかと感じています。
サブスクリプションサービスが普及することで、消費者が直接的に質の高いコンテンツにアクセスできる環境が整いつつあります。この流れが進むことで、広告至上主義の時代は徐々に縮小し、新しい形のビジネスモデルや価値観が広がる可能性があると期待しています。もちろん、広告そのものがなくなることはありません。製品やサービスを迅速に消費者へ知らせる手段として、広告は今後も重要な役割を果たし続けるでしょう。しかし、広告一辺倒ではない、多様な選択肢が存在する未来に期待したいと思います。