Raspberry PiでOLEDに文字表示
この記事では、Raspberry Piと0.91インチのOLEDディスプレイを使って、文字を表示するまでのやり方を説明します。
具体的にはAdafruit CircuitのPythonドライバーを使って、I2C通信でOLEDに文字を表示します。
ArduinoでOLEDを使いたい場合は、 【Arduino】OLEDに文字表示【Seeeduino】 をご覧ください。
つかうもの
はじめに、この記事でつかうものをご紹介します。
ラズパイ
本記事ではRaspberry Pi zero WHを使用しましたが、みなさんはお好きなRaspberry Piをお使いください。
OLEDモジュール
OLEDモジュールは、こちらの「DSD TECH/OLED 0.91インチディスプレイ」を使いました。
解像度は128x32で、ドライバICにはSSD1306が使われてます。電源は3.3V〜5Vの範囲で使用できます。
Raspberry PiとOLEDとの通信はI2Cになるので、 【Raspberry Pi】はじめてのI2C設定 を参考にI2Cの初期設定を済ましてください。
ちなみに、OLEDとは「Organic Light Emitting Diode」の略です。LEDの発光素材にオーガニック(有機物質)を使ったものでして、「有機エレクトロルミネッセンス」や「有機EL」と呼ばれたりします。
▼ 他にもいろいろなサイズがありますのでご参考に。
Raspberry PiとOLEDモジュールの配線
Raspberry PiとOLEDモジュールの配線を次の通り行ってください。
OLEDモジュール | Raspberry Pi |
---|---|
GND | GND |
VCC | 3.3V |
SCL | SCL(GPIO3) |
SDA | SDA(GPIO2) |
アドレスの確認
Raspberry PiとOLEDディスプレイの配線ができたら、次のコマンドをRaspberry Piで実行してI2Cデバイスのアドレスを確認しましょう。ここでは、3cがOLEDモジュールのアドレスになりました。
$ sudo i2cdetect -y 1
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 a b c d e f
00: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
10: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
20: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
30: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 3c -- -- --
40: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
50: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
60: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
70: -- -- -- -- -- -- -- --
ライブラリのインストール
OLEDモジュールをRaspberry Piで簡単に扱えるように、ライブラリのインストールを行います。
Adafruit CircuitPython SSD1306のインストール
今回使う「DSP TECH 0.91インチディスプレイ」には、メインチップにSSD1306が使われてます。 「Adafruit Python SSD1306」ライブラリが公開されいてますが、こちらはdeprecatedとなっており、現在開発が止まっているようです。今後は、CircuitPythonのライブラリ推奨とのことで、そちらを使用します。
次のコマンドを実行し、「Adafruit CircuitPython SSD1306」をインストールします。
$ sudo pip3 install adafruit-circuitpython-ssd1306
▼ Adafruit CircuitPython SSD1306 GitHub-adafruit / Adafruit_CircuitPython_SSD1306
▼ DSD TECH/OLEDディスプレイの仕様 DSD TECH Official Website: DSD TECH
必要なライブラリのインストール
ほかにもいくつか必要なライブラリがありますので、次の通りインストールしておきましょう。
$ sudo pip3 install adafruit-blinka
$ sudo pip3 install pillow
pillow関係のエラーが出てしまったので、次のモジュールもインストールしました。
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install libopenjp2-7
$ sudo apt install libtiff5
フォントのインストール
さいごに、OLEDに文字を表示させるには、Raspberry Piにフォントをインストールする必要があります。
今回は定評のある「Noto Fonts」の日本語版をインストールしました。ちなみに「Noto Fonts」とは、GoogleがAdobeと協力して作成したフォントファミリーです。
$ sudo apt-get install fonts-noto-cjk
インストールしたフォントは、/usr/share/fonts/ディレクトリ下に置かれました。
$ ls /usr/share/fonts/opentype/noto/
NotoSansCJK-Black.ttc NotoSansCJK-Light.ttc NotoSansCJK-Thin.ttc NotoSerifCJK-ExtraLight.ttc NotoSerifCJK-Regular.ttc
NotoSansCJK-Bold.ttc NotoSansCJK-Medium.ttc NotoSerifCJK-Black.ttc NotoSerifCJK-Light.ttc NotoSerifCJK-SemiBold.ttc
NotoSansCJK-DemiLight.ttc NotoSansCJK-Regular.ttc NotoSerifCJK-Bold.ttc NotoSerifCJK-Medium.ttc
▼ Noto Fonts GoogleNotoFonts
OLEDディスプレイに文字表示
それではさっそく、OLEDに文字を表示させてみましょう。
Adafruitのサンプルプログラムを参考に、プログラミングしてみました。OLEDの解像度は128x32ですので、他のサイズのOLEDの場合は宣言部分を書き換えるようにしてください。
import board
from PIL import Image, ImageDraw, ImageFont
import adafruit_ssd1306
i2c = board.I2C()
oled = adafruit_ssd1306.SSD1306_I2C(128, 32, i2c, addr=0x3c)
# Clear display.
oled.fill(0)
oled.show()
# Create blank image for drawing.
image = Image.new("1", (oled.width, oled.height))
draw = ImageDraw.Draw(image)
font = ImageFont.truetype("/usr/share/fonts/opentype/noto/NotoSansCJK-DemiLight.ttc", 13)
font2 = ImageFont.truetype("/usr/share/fonts/opentype/noto/NotoSansCJK-DemiLight.ttc", 10)
# Draw the text
draw.text((0, 0), "こんにちは、世界!", font=font, fill=255)
draw.text((0, 17), "This is OLED test.", font=font2, fill=255)
# Display image
oled.image(image)
oled.show()
実行するとこんな感じで文字を表示することができました。
他にもOLEDにいろいろな文字を表示するサンプルプログラムがあります。
▼ Adafruit CircuitPython SSD1306サンプルプログラム Adafruit_CircuitPython_SSD1306/examples/