オペアンプ5532で作るプリアンプ回路
モジュラーエフェクターで使える可変ゲインのプリアンプを制作してみた。オペアンプには高負荷をドライブできる5532を使った。デュアルオペアンプなので、2チャンネルのプリアンプを作り、片チャンネルをハイインピーダンス入力に対応させた。ゲインは1〜11倍に設定した。
こちらがその回路図。非反転の増幅回路。片方のチャンネルはギターなどのハイインピーダンス楽器を直接受けれるようにするため、FETバッファーを設けた。入力インピーダンスは500kΩとなる。もう片方の入力インピーダンスは50kΩに設定。
2チャンネルあるので、それぞれを直列に繋げば11x11で最大121倍のゲインが得られる。と言っても、電源電圧が9V動作なので出力の振幅はそこから上下を1Vずつ引いた7V程度に制限される。つまり、3.5Vppの出力信号になると歪む。計算すると、121倍のゲインにすると歪むのは入力信号が29mV以上になった時。数mV出力のマイク入力ならゲインを最大にしても歪むことはないはず。 7.6Vまで降下した9V型の充電池では、写真のように5.7Vの振幅までしか出せていない。
こちらは、400kHzほどの正弦波をCh1に入力した時の波形。ゲインは1倍。ちょっとでも増幅させると歪む。FETバッファーのないCh2だと最初から歪んでしまう。高周波用のアンプではないから別に良いのだけど、何かの参考に。 色々な信号を入力して観察して分かったことだけど、Ch1に信号を入力すると、わずかだがCh2にもその信号が乗ってしまう。特に数百キロヘルツの高周波だとそれが大きくなる。オペアンプのクロストークによるもなのか、または回路の配線(アートワーク)の問題なのかは不明。どちらにせよ、1つのオペアンプで2チャンネル分作るのはリスクがあることを覚えた。ミキサーで1chづつモジュラー化されているのも、クロストークなどの影響をできるだけ避ける仕掛けなのだろう。