2相クロック信号発生器 V3102 for BBD

アナログディレイを作る際に、BBD素子のクロック発振器として使われるV3102を単体実験してみました。

V3102とは

説明

V3102は、4096ステージまでのBBD(バケットブリゲードデバイス)を駆動するための低出力インピーダンスの二相クロック信号を生成するユニバーサルCMOS LSIです。

特徴

  • 最大4096ステージのBBDを直接駆動可能
  • 自己発振または別途励起可能
  • 二相クロック出力(デューティ比1/2)
  • 電源オン時にIGBTゲートを保護するダイオード内蔵
  • パッケージ形状:DIL-8(V3102D)
  • ROHS対応(鉛フリー)

ピン配置

以下は、V3102のピン配置の詳細を示します。

ピン番号ピン名説明
1VDD電源電圧
2CP1クロック出力1
3VSSグランド
4CP2クロック出力2
5VGGグリッド電圧
6RCext1外部抵抗1
7RCext2外部抵抗2
8RCext3外部抵抗3

VGGとは

VGG(ピン8)は、グリッド電圧(Gate-Grid Voltage)を指します。この端子には通常、内部的に定められた適切な電圧が供給されるよう設計されていますが、具体的な電圧値はデータシートに基づく必要があります。VGGの役割は、BBD(バケットブリゲードデバイス)などの動作に必要な電圧を提供することです。具体的な電圧値を確認するためには、データシートの「電気的特性」や「推奨動作条件」を参照してください。

データシート: 低電圧BBD用CMOSクロックジェネレーター/ドライバー V3102: 半導体 秋月電子通商-電子部品・ネット通販

絶対最大定格

項目記号定格値単位
コレクタ電源電圧VCC-0.3 ~ 12V
入力電圧VI, VO-0.3 ~ VCC+0.3V
消費電力PD200mW
動作温度範囲Tamb-10 ~ 70°C
保管温度範囲Tstg-30 ~ 125°C

電気的特性

項目記号テスト条件最小典型最大単位
ドレイン供給電流IccRL=∞, F0=40KHZ0.5mA
総消費電力Ptot2.5mW
入力電圧(Hレベル)VIHVCC=5V, 10VVCC-1VCCV
入力電圧(Lレベル)VILVCC=5V, 10V01V
出力電流(Hレベル)IOH(1)VCC=5V, VO=4V0.5mA
出力電流(Lレベル)IOL(1)VCC=5V, VO=1V0.4mA

実験回路

こちらはアナログディレイで使われるサンプル回路から、2相クロック信号発生器部分だけ抜き取った回路図になります。

V3102を使った発振回路図
V3102を使った発振回路図

波形の観察

クロック出力1
クロック出力1
クロック出力2
クロック出力2
クロック出力1 + クロック出力2
クロック出力1 + クロック出力2
オシロスコープで観察したところ、クロック出力1とクロック出力2はそれぞれ逆相になっていることがわかりました。また、DC0Vを基準に電源電圧VCCの矩形波が発生されるようです。

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