PCBWayではじめてのPCB基板を発注してみた!

PCBWayではじめてのPCB基板を発注してみた!
PCBWayではじめてのPCB基板を発注してみた!

PCBWay というプリント基板制作サービスの中の方から「無料で基板作ってあげるからレビューしていただけませんか?」というご提案をいただきました。ちょうど興味あることでしたので快く受けさせてもらい、この記事を執筆するに至りました。

私自身、KiCadでフットプリン製作してエッチング基板をすることはよくあるのですが、ガーバーデータ出力して発注というのは今回が初めて。 上手にできるか不安でしたが、 PCBWay さんで基板の発注、製作できましたのでその様子をご紹介いたします。やってみると意外と簡単でした♪

ちなみにPCBWayは中国にあるサービスでして、メールでのやり取りは英語でした。丁寧な対応だったので、安心してやり取りできました。

はじめに

ここではガーバーデータは既に用意されているものとして PCBWay のサイトで基板を発注するまでの具体的な手順を解説していきます。

PCBWay で基板を発注する方法ですが、大きく分けて次の3つの工程になります。

  1. 基板の大きさや材質で見積もりをとる
  2. ガーバーデータをアップロード&審査を待つ
  3. 配送先住所、配送方法と支払いの選択

ここで良いなぁと思ったのは、基板の大きさや一層か二層かなどの情報設定するだけで、ある程度の製作費用がわかることです。ガーバーデータが用意できてなくても既に基板のイメージをお持ちでしたら、一回 PCBWay さんで見積もりを出してみるとモチベーションも上がります。

なお、KiCadでガーバーデータを書き出す方法は下の記事で詳しく紹介してます。

言語を日本語表記にする

はじめに PCBWayのトップページ へアクセスしたら、言語表示を日本語にしておくと良いでしょう。

言語を日本語表記にする
言語を日本語表記にする

会員登録をしておく

もちろん会員登録は無料です。右上のメニューからログインまたは新規会員登録ができます。メールアドレスとパスワードを決めて登録するだけです。この時点では支払いのためのカード情報を入力する必要はありません。

会員登録が済んだらログインします。何やら5ドルのクーポンが付与されました。

ログイン
ログイン

またプロフィール欄を埋めることでもクーポンがゲットできました。こういう細かなサービスをされると、ついつい利用しちゃうかもですねぇ(笑)

それでは PCBWay で「基板の大きさや材質で見積もりをとる」「ガーバーデータをアップロード&審査を待つ」「配送先住所、配送方法と支払いの選択」の項目で詳しく解説していきます。

基板の大きさや材質で見積もりをとる

プリント基板の見積もりを取るために、ログイン後の画面の「PCB Prototype」のメニューをクリックします。

PCB Prototype
PCB Prototype

すると下の写真のように、基板の仕様選択項目がズラリと並んでいます。(※画像をクリックすると拡大できます)

基板仕様選択
基板仕様選択

最初は戸惑いましたが、各項目に「?」マークがついていて、カーソルを合わせると説明が表示されます。日本語も自然なので分かりやすいです。

今回の基板仕様選択例

今回は PCBWay さんのご好意で、1層基板でそれほど値段が高く無いようならば無料で作ってくれるとのことですので、44x27mmサイズの 匂いセンサモジュール用の基板 を10枚お願いしてみることにしました。

以下、私が発注した基板仕様選択例になります。

項目
基板の種類面付けなし
異なった面付けの種類1
寸法(シングル)43.942x27.432mm
枚数10枚
1層
銅層最下層
レジスト両面
シルク上層
材質FR-4
FR4-TGTG 150-160
板材の厚み1.6mm
最小パターン幅/間隔6/6mil
最小ビア径0.3mm
レジスト
シルク
エッジコネクタなし
表面処理有鉛はんだレベラー
ビア処理レジストカバー
銅箔の厚み1 oz Cu

今までトナー転写のために下図のような形で製作してきました。

KiCad PCB Editor
KiCad PCB Editor

KiCadにおいて「B.Cu」が銅配線で、「F.Silkscreen」が表面の文字印刷です。「Edge.Cuts」で基板の寸法を描いておきます。レジストにあたるF.Mask、B.Maskは特に何もしなくても設定されているかなと。最初に申し上げた通り、はじめてのPCB発注ですのでこれで良いのかどうかドキドキですが、計算ボタンを押して見積もりを出してみます♪

見積もり結果
見積もり結果

基板製作に $53.14(7,129円)、運賃に $18.93(2,540円)です。合計で約1万円ほどかかります。注文の基板は10枚ですから、1枚あたり1000円です。正直ちょっと高いかなと思いましたが、どうなんでしょうか?他のPCBサービスを利用したことがありませんのでなんとも言えませんが。また、運賃は配送方法を変えればもっと安くすることが可能です。DHLは一番高くつく配送方法でした。

その後に気づきましたが、製造枚数を100枚にしたところ製作費がなんと、 $69.92(9380円)でした。10枚の時とほとんど変わらず、10枚発注するなら100枚発注した方が断然お得ですね! 大量生産するなら PCBWay さん、良いんじゃないでしょうか?一枚あたり数百円程度で抑えられるのであれば、十分活用できそうです♪

ガーバーデータをアップロード&審査を待つ

さて、先ほどの見積もり結果から「カートに追加する」を押しますとガーバーデータのアップロード画面になります。ガーバーデータをzipで圧縮してアップロードします。

ガーバーデータをアップロード
ガーバーデータをアップロード

その後、30ほど経ちましたでしょうか?メールで「審査にパスしたよ」という英語のメールが届きました。

アップロードしたガーバーデータを確認することもできます。ただし、このビューアーは万全でないとのことなので、あくまでも参考程度という感じです。

ガーバービューアー
ガーバービューアー

それでは最後に、配送先と配送方法を選択して支払いすることで発注を完了させましょう。

配送先住所、配送方法と支払いの選択

配送先住所の入力

支払い画面へ進むと配送先住所の入力を要求されます。配送先住所は英語というかローマ字でなんとか入力します。アリエクとかと同じ感じで大丈夫です。

配送方法

配送方法は色々あって悩みますが、格安の配送方法ですと時間がかかりますし事故もありそうで怖いです。今回の企画を提案してくれた PCBWay の中の人が仰るには、OCSを強くお勧めしますとのことでした。OCSはANAの国内・国際航空ネットワークを活用した高速輸送サービスだそうです。これなら安心ですね。もっと安い配送方法もありますが、アリエクと違って安い買い物では無いので送料はケチらない方が良いです。今回は送料も PCBWay さんが負担してくれるとのことでしたので遠慮なくOCSを選択しました。

配送方法を選択
配送方法を選択

支払いの選択

担当者の方に、支払いの準備が整ったことを伝えたら、すぐに私のアカウントに支払い分の金額が振り込まれていました。下図の通り、本当に無料でPCB基板を製作させていただくことができました!

支払い画面
支払い画面
クーポンがある方は積極的にクーポンを利用すると良さそうです。

さて、あとは基板が届くのを待つだけです。わずか3〜4日で製作してくれるそうですので楽しみです♪

発送完了のお知らせ

4日後、 PCBWay さんから発送完了のお知らせメールが届きました!

発送完了のお知らせメール
発送完了のお知らせメール
お仕事がはやくて安心しました。届くのが楽しみですね!

基板着弾(到着!!)

発注から7日後、基板が着弾しました!!

キタ―――(゚∀゚)―――― !!

OCSで届く
OCSで届く

このスピード感、いいですね!

OCSで届く
OCSで届く

PCBWay さんの丁寧な梱包も感動いたしました!

OCSで届く
OCSで届く

気になる基板をお披露目です。ドキドキですね♪ いざ開封!

完成基板
完成基板

おおお〜!、いいじゃないですか!初のガーバーデータアップロードで間違いがないか不安でしたが、配線はもちろん、シルク印刷、レジスト、そしてドリル穴もバッチリでした!

基板
基板
基板
基板
基板
基板

PCB基板の感想

実際に部品を組んではんだ付けしてみました!

においセンサモジュール
においセンサモジュール

サービスサイトのガーバービューアーでみた時に、裏面の穴が空いてなかったのでちょっと心配でしたが、ちゃんとスルーホール構造で穴あけされてました。板の厚み1.6mmは結構分厚かったので、コストが削減できるのならば1mm程度でも良かったです。

においセンサモジュール
においセンサモジュール

ところで、今まで私が行ってきた自作基板の製作工程は次のような感じです。

  1. トナー転写
  2. レジストペンで補正
  3. エッチング作業
  4. 穴あけ
  5. 配線のインク除去
  6. 表面文字の転写
  7. クリア吹く

基板の1つや2つ作る分には比較的たのしく作業できるのですが、同じものを10個以上とかになると、正直苦行でして、、、穴あけ作業とか目眩がしてきます(笑)

そういった作業から解放できるのかと思うと涙が出るほど嬉しいです(笑)なぜもっと早くPCB基板の発注をしなかったのだろうかと、思うのが正直なところです。

今回は PCBWay さんに貴重な機会をいただきまして、たいへん感謝いたします♪ さっそく次の基板も発注してみようかと構想を練っているところです。皆さんもぜひ、 PCBWay さんの基板サービスチェックしてみてください♪

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