リレーモジュールの使い方|Raspberry Pi・Arduino(ESP32)

この記事では、リレーモジュールをRaspberry Piで制御する方法を解説します。リレーモジュールが使えるようになれば、家電製品のIoT化ができたり既存の製品を有効活用できます。ただし、初めてのリレーモジュールでいきなりコンセントのAC100Vを扱うのは大変危険です。 ここではまず、豆電球のような事故のない電子部品を使ってリレーモジュールを扱ってみます。
リレーを動かしてみよう
図のように配線を組んで、実際にリレーを動かしてみました。皆さんも回路を組んで実際に遊んでみることをおすすめします。

- スイッチを通じてプラス5Vを、リレーモジュールのINへ繋ぐ
- DCマイナスは電源のマイナス端子へ繋ぐ
- DCプラスは直接プラス5Vを繋ぐ
上記のように配線したら、スイッチのオンオフを切り替えてみましょう。スイッチを切り替えるたびに、ウィンカーみたいなカチカチ音が聞こえたでしょうか?これはリレーのスイッチが切り替わる音です。この音が聞こえればリレーは正しく動作できてます。次はこの回路に豆電球を取り付けて光らせてみましょう。
豆電球をリレーで光らせよう
次に豆電球を用意して、リレー制御で光らせてみましょう。図のように電池と豆電球をリレーモジュールに繋ぎました。

COMとNOに豆電球を繋いだ場合、スイッチをオンにすると豆電球が光り、スイッチをオフにすると消灯します。 つまり、スイッチをオンにすることでリレーモジュールのCOMとNOが導通します。
それでは、COMとNCに豆電球を繋ぎ変えてみましょう。今度はスイッチをオンにすると豆電球は消灯し、スイッチをオフにすると光るようになりました。
ここまでの動作から次のことがまとめられます。
- COM(コモン)共通の端子
- NO(ノーマリーオープン)は、リレーコイルに電流が流れていない時にCOMとの間が開いている
- NC(ノーマリークローズ)は、リレーコイルに電流が流れていない時にCOMとの間が閉じている
Raspberry Piでリレーモジュールを使う
それではこれからRaspberry Piを使ってリレーモジュールを動かしていきます。なお、Raspberry Piのセットアップは をご覧ください。
トリガーの仕様
今回使用したリレーモジュールのトリガー(IN)へ流す電流は、5mA程度あれば十分です。また電圧は3〜5Vの範囲で入力が可能です。 Raspberry PiのGPIOは1つあたり10mA程度まで電流を出力できます。そして全体で30mA程度までとなります。また、GPIOの出力電圧は3.3Vです。 たくさんのリレーを繋ぐときは消費電流に気をつけましょう。今回はひとつだけの実験ですので、GPIOを直接リレーモジュールのトリガーへ繋ぎました。 ちなみに今回使用したリレーモジュールはジャンパピンが存在し、Low側にするとトリガー電圧を0〜1.5Vに変更できるようになっていました。
Raspberry Piとリレーモジュールの配線
こちらがRaspberry
Piとリレーモジュールの配線図になります。GPIO17をリレーモジュールのトリガーへ繋ぎました。
豆電球をリレーモジュールで点滅させるPythonプログラム
リレーモジュールで豆電球を点滅させるプログラムをPythonで書いてみました。車のウインカーと同じような速さでスイッチがオンオフする演出をしてみました。
import RPi.GPIO as GPIO
from time import sleep
RELAY_PIN = 17
GPIO.setmode(GPIO.BCM)
GPIO.setup(RELAY_PIN, GPIO.OUT)
while True:
GPIO.output(RELAY_PIN, True)
sleep(0.35)
GPIO.output(RELAY_PIN, False)
sleep(0.35)
いかがだったでしょうか?うまくリレモジュールは動きましたでしょうか? リレーモジュールの仕組みが分かれば動かすのはとても簡単です。また、豆電球を光らすことができればAC100Vのコンセントも同じ要領で制御できるはずです。ただし、くれぐれも事故がないよう配線などに十分注意してくださいね。
Arduino(ESP32)でリレーモジュールを使う
ここからはArduinoの互換機であるESP32で、リレーモジュールをつかう方法を解説します。
リレーモジュールのおさらい
前半で紹介したリレーモジュールの使い方のおさらいです。

リレーモジュールの端子役割は次の通りです。
端子 | 意味 | 説明 |
---|---|---|
COM | コモン | 共通の端子 |
NO | ノーマリーオープン | リレーコイルに電流が流れていない時にCOMとの間が開いている |
NC | ノーマリークローズ | リレーコイルに電流が流れていない時にCOMとの間が閉じている |
IN | トリガー | Highの入力信号を与えればリレーコイルが動作する |
DC- | リレーコイルの電源 | GND |
DC+ | リレーコイルの電源 | 5V |
上図の左側に制御したい機器をつなぎます。右側にはリレーコイル用の5V電源をつないで、マイコンボードのGPIOピンでIN端子を制御します。上図では、制御信号をSW(スイッチ)として表現してます。 リレーコイルを通電させた時の消費電流を測定してみると、5Vで70mA程度でした。
ESP32とリレーモジュールの配線
ESP32とリレーモジュールの配線です。リレーモジュールの使い方があいまいな方は、いきなり家電などのAC100Vを接続しないようにしてください。配線間違いを起こして機材が壊れる可能性がありますし、危険です。
ここではLEDを使って、ESP32内蔵の5V電源で動かしてみることにします。

「ウインカー風Lチカ」するソースコード
次のソースコードは、一定間隔でリレーモジュールをオンオフするだけのシンプルなプログラムです。
/**
* @date 2022-11-24
* @author Toshihiko Arai
* @copyright https://101010.fun
* @brief ESP32とリレーモジュールを使って、ウインカー風にLチカするプログラム
*/
#include <Arduino.h>
/**
* @brief Relay <--> ESP32 の配線
* DC+ <--> 5V
* DC- <--> GND
* IN <--> GPIO14
* COM <--> 330Ω--LED--5V
* NO <--> GND
*/
#define TRG_PIN 14
void setup() {
Serial.begin(115200);
pinMode(TRG_PIN, OUTPUT);
}
void loop() {
digitalWrite(TRG_PIN, HIGH);
delay(350);
digitalWrite(TRG_PIN, LOW);
delay(350);
}
実際にESP32とリレーモジュールを配線して、上記のプログラムを実行した様子を下の動画でご覧いただけます。
リレーのオンオフされる音が、ウインカーにそっくりなんですよね。実際に、昔のウインカーはリレーで動かしていたため、あのような音になっていたそうです。今では電子制御らしく、わざわざスピーカーでウインカー音を鳴らしているのだとか。それにしてもウインカーの音ってなぜか心地よいですよね。癒されます♪
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