三徳包丁の研ぎ方(中砥石のみ)

柳宗理の三徳包丁
柳宗理の三徳包丁

この記事では、一般家庭で一番よく使われている三徳包丁(キッチン包丁)の研ぎ方を解説します。

研ぎ方がわかると、包丁を研ぐのがぐんと楽しくなります!ひとつひとつ手順を追えば全然難しくはないので、ぜひ皆さんも包丁の研ぎ方を覚えてみてください!

砥石の準備

砥石には荒砥石、中砥石、仕上げ砥石の3つがあります。荒砥石は、よっぽど刃が欠けてしまったときに使います。普段のメンテナンスでは中砥石だけで十分です。仕上げ砥石はさらに切れ味を鋭くしたい場合に使います。

キングデラックス中砥石1000番
キングデラックス中砥石1000番

ここではキングデラックスの中砥石1000番を使っていきます。

砥石によってずいぶん研ぎやすさが違ってきます。質の悪い砥石だと、砥くそ(研いでいるときに出る泥)が出ず、なかなか研げなかった経験があります。

よく売られている中砥石と仕上げ砥石が両面についたタイプよりは、このような荒さで独立している砥石の方が良いと思います。

5分ほど水に浸水
5分ほど水に浸水

まずは、砥石を水に5分ほど浸しておきます。写真のように砥石の中は気泡だらけですので、水をたっぷり含ませた状態にしてやります。そうしないと、研いでいる最中に砥石の表面がすぐに乾いてしまうからです。

表を研ぐ(中砥石)

包丁の構え

まずは、包丁の表(柄を右手に持った時、刃が奥にある向き)から研いでいきます。

包丁の構え方
包丁の構え方

包丁の構え方は次の通りです。

  1. 右手で柄を持ち、砥石との傾きを45度程度にします
  2. 包丁と砥石の隙間に、十円玉が2枚入る程度の状態を維持します
  3. 研ぎたい部分に左手の2本指を置きます

また、砥石が乾かないように水をこまめに垂らすため、水を入れ物に用意しておきましょう。

それでは、いよいよ包丁を研いでいきますが、包丁を次の3つの部分に分けて研ぐと失敗しません。

  1. 包丁の真っ直ぐの部分
  2. カーブしている部分
  3. 切っ先の部分

❶では、研ぐ方向を直線に動かせば問題ありません。しかし❷や❸を研ぐ場合、直線に動かして研ぐと問題があります。カーブしている刃先が平らになってしまうからです。

順を追って解説をしていきましょう。

❶ 真っ直ぐの部分を研ぐ

押すときに力を入れる
押すときに力を入れる

包丁の直線部分を、あご(刃元)から研いでいきます。

砥石の縦方向を大きく使い、真っ直ぐ動かしましょう。

この時、押す時だけ力を入れて、引くときは力を抜くようにします。右手は力を抜き、左手で動きをコントロールするとやりやすいです。慣れないうちはゆっくり丁寧に行います。

包丁は、左手の2本指を置いた場所だけが研がれます。刃を研ぎたければ、刃のギリギリを抑えます。(ただし、砥石にあたって指が削られないように注意してください)

往復10回程度を目安にひとつの箇所を研ぎます。研ぎ終わったら、指の分だけポジションをずらし、また同じ回数だけ研いでいきます。

この時ちゃんと回数を守ってください。研ぐ回数がバラバラだとムラの原因になります。

指2本分ずらす
指2本分ずらす

また、砥石の表面が乾いたら少し水を垂らします。この時、砥石の表面の泥(砥くそ)を洗い流さないでください。この砥くそが砥石と包丁の間に摩擦を生み、キレイに研ぐことができるからです。

❷ カーブしている部分を研ぐ

次に、包丁のカーブしている部分を研いでいきます。この部分は、少し弧を描くようにして研ぐようにします。

カーブしている部分の研ぎ方
カーブしている部分の研ぎ方

押す時だけ力を入れて、引くときは力を抜くようにし、数を守って研いでいきます。

❸ 切っ先の部分

最後に切っ先の部分を研いでいきます。右手を少し持ち上げ、切っ先が砥石としっかり当たるようにし、弧を描くようにして研ぎます。

切っ先の研ぎ方
切っ先の研ぎ方

「かえり」ができるまで繰り返す

切っ先まで研いだら、再び刃元へもどり同様にして全体に「かえり」ができるまで❶〜❸を繰り返します。「かえり」とは、バリのことです。

指で刃先の表面をかるく触れて「かえり」を確認します。かえりができれば、指紋にひっかる感触がわかるはずです。

全体にかえりができたら、裏を研いでいきます。

裏を研ぐ(中砥石)

刃が手前に来るように包丁をひっくり返します。今度は、包丁を奥から手前へ引くようにして研いでいきます。

ただし、力の入れ方は表とは逆で、引くときに力をいれ押すときに力を抜くようにしてください。

裏を研ぐ
裏を研ぐ

裏も表と同様にして、かえりが出るまで研いでいきます。全体にかえりが出たら、仕上げに入ります。

かえりを確認
かえりを確認

仕上げ(中砥石)

ここでは中砥石で仕上げを行います。もう一度包丁を表にし、3往復づつあごから切っ先までを研ぎます。かえりを確認し、かえりがあるようならばもう一度繰り返します。

かえりがなくなったら、汚れをよく洗い流します。水気をすぐに布で拭き取りよく乾かします。

まだ細かなバリが残っているので、新聞紙を刃先で撫でてバリを完全に取り除きます。

コピー用紙などを使い、あごから切っ先までキレイに切れるか試し切りを行いましょう。

以上で、三徳包丁の研ぎ方の解説を終わります。

研いだ後は非常に鋭利でキレやすいので、取扱には十分注意しましょう。

柳宗理の三徳包丁
柳宗理の三徳包丁

砥石のメンテナンス

最後に、包丁の研ぎ方も重要ですが、それ以上に重要なのが砥石の面直しです。

砥石は、包丁を研いでいると真ん中から凹み、歪んでいきます。実は、この状態の砥石で包丁を研いでも、キレイには研げません。砥石面に歪みができた場合は、必ず面直しを行ってください。

面直しは、平らな板に100番程度の耐水ペーパーを接着剤で貼り付け、水を注いですり合わせれば可能です。

また「水平くん」という面直しを使うととても便利です。中砥石も仕上げと石もこれひとつで面直しができます。ただし、「水平くん」はセラミック製品なのでぶつけて割ったりしないように注意してください。

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