外配信でつかえるスマホのピンマイク製作
ニコ生で外配信する時のために、スマホで使えるピンマイクを製作してみたのでご紹介。外部電源が必要ないように、スマホから電源供給できるように設計した。自分は自転車配信で使っているが、散歩配信はもちろん、野外のYouTube撮影などでも使えるピンマイクである。
ピンマイクで収録のコツ
野外で音を収録する場合、次のふたつが大きな悩みになるだろう。
- 風切り音
- タッチノイズ
❶の風切り音は、風が吹くと簡単にボコボコした強烈なノイズが入ってしまう。これをカットするにはスポンジにウィンドスクリーンではダメで、ウィンドジャマーという毛皮タイプを使うと風切り音を大幅にカットできる。
毛によって風の勢いを殺すという、ある種のローカットフィルタになっている。動物も風から肌を守るために必然と毛が生えていたわけだ。
ウィンドジャマーは簡単に作れるのでよかったら参考に。
❷のタッチノイズは、マイクケーブルが擦れたりモノに当たったりして「バチバチ」や「ガサゴソ」といったノイズが入ってしまうのが原因。ピンマイクをつけて動く場合は、マイクケーブルをぶらぶらさせないように取り回しに気をつけること。ケーブルを服の中に入れたり、ガムテープで固定したり工夫しよう。また、マイクをできるだけ口元に近づけて相対的にノイズ音を小さくするのも効果がある。
スマホ用ピンマイクの製作
今回は、iPhoneのイヤホンアダプタを通して使えるピンマイクを作ってみたい。スマホの4極のイヤホンプラグには、CTIA規格とOMTP規格が混在している。iPhoneのイヤホンアダプタはCTIA規格で、配線は次の通り。
規格 | T | R | R | S |
---|---|---|---|---|
CTIA | L | R | GND | MIC |
OMTP | L | R | MIC | GND |
以前にもこの手のマイクを製作したのでこちらも参考に。
今回は秋月電子で手に入れたEM158というECM(エレクトレットコンデンサマイク)を使用した。回路図は次の通り。
4極端子と抵抗1個をECMに半田付けするだけなので、そんなに難しくない。
EM158は-32dBとかなり感度が高いので抵抗の値を6.8kΩに設定した。EM158は秋月電子以外では手に入りにくいと思うので、他のECMで作ってももらって構わない。その場合は、抵抗の値を2.2kΩにするとピンマイクの位置でちょうど良い音量感になるはず。
さて、回路図を元にピンマイクを製作した。4極端子は百均のグッズから部品取りした。写真のように、ECMに細いシールドケーブルを繋ぎ、抵抗と4極端子を半田付けしてホットボンドで補強した。
また、毛皮のウインドジャマーはユザワヤの「エコファーボール」を利用した。
写真のように、自転車配信の時にピンマイクをつけて配信すると視聴者に聞きやすい音配信できるようになる。いくら良い映像でも音が悪すぎると見ていられない。逆に映像は良くなくても、音が良ければそれなりに見ていられるというもの。皆さんも一度、マイクに気を使ってみてはいかがだろうか。
▼ さらに高音質化を目指し、ECMをファンタム電源で駆動できるようにしてみました!
iPhoneで充電しながらイヤホンマイク
最後に、大事なことを付け加えておく。
iPhoneでは残念ながらイヤホンマイクが廃止されLightningケーブルのみとなるので、3.5mmのイヤホンジャックを使うには変換アダプタが必要である。また、ライブ配信などで長時間撮影を行う場合は、モバイルバッテリーで充電しながら配信することになると思う。
そこで、私が使っている製品(正確には類似商品だが)をいくつかご紹介したい。
まず、Lightningで充電と音声を入力できるようにするため、この手のLightning二股のアダプタを使っている。
つぎに、ライトニングからイヤホンジャックに変換するアダプタだ。iPhone7以降から純正品が付属されているので持っている人は多いと思うが、なければ購入しよう。
そして、モバイルバッテリーはこちらのCheeroを使っている。少し重たいが、13400mAhという大容量が魅力。先日、自転車で6時間配信したが、これひとつでバッテリー切れを起こすことなく配信できたのでオススメ。
手振れ補正がバッチリ効く、iOSの配信アプリ「Airmix Solo」の使い方も参考に。