空き缶で作るアルコールストーブ製作【アルスト/キャンプ】



アルコール燃料を使って料理ができるアルコールストーブ(通称アルスト)を製作してみたので紹介していく。

出来上がったアルストは軽くてとても小さい。だからバッグひとつでキャンプする時など重宝するに違いない。災害の非常時グッズとしても持っていて安心だ。
お金も大してかからず簡単に作れるので、アルストに挑戦してみてはいかがだろうか。






上部の製作




自作品としては3台目となるアルストだ。
この形のアルストは多くの方がブログやYouTubeで作り方を説明しているので、多分これがスタンダードな形なんだと思う。

今回は500mlの酒の空き缶二つを利用して制作した。
350mlと500mlの缶では底の湾曲具合が違うことに気づいた。500ml缶の方が350ml缶より底の湾曲が若干キツイ。炭酸の圧力に耐えるため500mlの方が丈夫につくる必要があったのだろう。


それではまず、空き缶の一つを使って上部をつくろう。外装を紙やすりで削ってあるがこれは省略しても良い。やりたければ200番くらいからシコシコ削っていくのみだ。艶消しがカッコ良いと思ったので1000番で磨くのを終えることにした。



上の写真のような形で上部を作れば良い。上部の高さは3cm。穴を開けてからカットする。
ジェット孔と言われる小さい穴を0.6mmのピンバイスを使って24カ所空けた。ジェット孔の大きさは1mmから1.5mmくらいで開けても良いようだが、小さい方がなんとなく勢いがあるのかなと思って小さめにした。

中央の大きな穴は燃焼の初期段階で、アルコール燃料および缶自体を温める役割を果たす。また、燃料の注ぎ口でもある。
中央の穴が小さすぎると缶全体がなかなか温まらず、本燃焼(ジェット孔から火が出る)までの時間がかかってしまう。大きすぎるとこんどは本燃焼までの時間は短いが、燃費が悪くなってしまうようだ。
後から穴を小さくするのは難しいので、少し小さめに設定した。

中央の穴の作り方はまず、空けたい穴の大きさをマジックで書く。
ドリルで穴の内側を何カ所か掘る。
つなぎ目をニッパーでカットする。
そして金属用のヤスリで目指す穴のサイズまで少しずつ削っていく。
アルミなので金属ヤスリで削るのはカンタン。

そして高さ3cmにカットする。
カットのやり方として、カッターの刃を辞書の間に挟んで缶をクルクル回すと高さ調整もしやすいしキレイにカットできる。





キレイにカットできたら裏側のバリをヤスリで磨いて取っておこう。







下部と仕切りの製作


もう一つの空き缶の底を利用してアルストの下部をつくる。上部の高さ3cmに対し、下部は2.7cmの高さでカットする。



上部の内側にスポっとはめるため、ラジオペンチで1cmくらいの深さで波を作っておく。あまりやりすぎるとすき間から燃料が漏れていくので注意が必要だ。

上部と下部ができたら最後に仕切りの壁をつろう。
空き缶の余った部分から3.7cmの高さをハサミでカットする。大きさを調整できる輪っかにするので縦に切り込みが入って大丈夫。
空き缶の下部の溝と上部の溝におさまるように輪の大きさを調整したらホチキスで固定する。燃料が通るスペースを設けるために仕切りの下に小さな穴を三カ所開ける。



このような感じでスポっと溝に入るようにする。







完成と微調整


最後に上部を被せ、ゆっくりと指で押し込んでいく。



このようにぴったり納まるだろう。




早速アルコール燃料を入れて燃焼テストをしてみたが中央の穴が狭いためか、本燃焼までに時間がかかり過ぎたので金属ヤスリで穴を広げて調整した。







性能試験


使い方はアルストにアルコール燃料を入れ、中央穴に向かってライターで点火すれば良い。最初は中央の穴からしか炎がでないが、本体が温まってくるとアルコールが気化して副室内の圧力が高まる。気化したアルコールは勢いよくジェット孔から吹き出すことになり、ジェット孔も点火する。これを本燃焼と呼び、安定した強い火力を維持することができる。今回作った構造のアルストは副室加圧型オープンジェット式と呼ぶらしい。

ちなみにフタは作ってないので燃料が切れるまで放っておく。



さて、性能というか本燃焼までの時間と、自然消火までの時間を測ってみた。

条件は次の通り。

室内温度 26℃
燃料用アルコール 10cc


結果がこちら。

  • 本燃焼まで1分16秒
  • 自然消火まで3分40秒

結果は五徳や風よけなどの環境によっても変化する。




アルストの燃料


アルストの燃料としてはエタノールやメタノールなどのアルコールが使える。

今回はドラッグストアで比較的安く手に入る燃料用アルコールを使用した。

ケンエー燃料用アルコール 500ml

メタノール 76.6%・エタノール 21.4%・イソプロパノール 0.3%

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エタノールはお酒のアルコールと同じものだが、この燃料用アルコールの主成分はメチルアルコールなので飲むことは出来ない。その代わり酒税が掛からず、エタノールより安く買える。

余談だがメタノールはメチルアルコールとも呼ばれ、その昔これを水で薄めたバグダンというお酒がヤミ市で売られていたそうだ。死者や失明者が続出したそうで目が散る(メチル)アルコールである。

さて、アルコールの保存容器にも気をつける必要がある。プラスチックは溶けてしまうのでNG。栄養ドリンクなどの空き缶や、ホームセンターで売っている小型のポリエチレン(PE)の容器が使える。
また、100均で売っている注射器を使うと正確な容量が計れて便利だ。







炎を見える化する


小型で携帯に便利なアルストだが、日中の野外で使おうとすると炎が全く見えないのが難点だ。
そもそも炎がオレンジや赤く見えたりするのは不完全燃焼(酸素不足)だったり、燃料への添加物によるものだ。そこで調べてみると燃料に塩が混ざると炎がオレンジ色に見えるらしい。これだ!、と思いさっそくアルコールに塩を少々混ぜて燃焼させてみた。



見事、アルコール燃焼の見える化に成功した!
これなら日中でも安心して使えそうだ。


trangia(トランギア) アルコールバーナー 【日本正規品】 TRB25

風や外気温に左右されにくいアルコールバーナー/アルコールタンク2/3の注入量で約25分間の燃焼が可能。使用燃料は、薬局で購入できるエチルアルコールやメチルアルコール。収納サイズは直系7.5cm×高さ4.5cm、重量110g。寒冷地や風の強い場所でも着火できる。

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風よけ五徳


アルストでお湯を沸かすには五徳が必要。さらにアルストは風に弱いため、野外で使う場合はどうしても風よけが必要だ。
何かスマートな方法がないかとYouTubeを眺めていると、風よけと五徳を一体にしてる動画を発見した。これだと思い、早速マネしてみた。

ダイソーで手に入れた風よけを購入、ホームセンターでステンレス棒(3mm)を買ってきた。

アルストの高さが3.7cmなので、風よけの下から6cmの位置に穴を開けた。


ステンレス棒はツルツルしてこのままだと鍋が滑り落ちるので、金属ヤスリで表面を荒削りした。


通す穴でサイズ調整できるので鍋はもちろん、網だって置けちゃう!






湯沸かし


さっそく風よけ五徳を使って、400mlの水道水を沸かしてみよう。

鍋はメスティンを使用した。
ダイソーでメスティンが500円で売っているようだが、情報を知ったときには既に売り切れ。いつになるか分からない入荷を待てずAmazonで購入してしまった。少し値はしたが、網がセットだから蒸し焼きや薫製にも使えて便利そうで結果オーライ。

JKR アルミ製飯盒 メスティン バットアミ付き ポケットストーブ付き クッカー アウトドア用三点セット キャンプ用 収納ボックス お弁当箱 食器 炊飯 蒸し 燻製 デイキャン用

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条件は次の通り。

室内温度 26℃
燃料用アルコール 20cc
水道水300ml
メスティン x 風よけ五徳


フタを閉めたままなので音で判断した。

  • 沸騰しはじめの音が聞こえたのが4分15秒
  • グツグツ大きい沸騰音まで5分30秒
  • 自然消火まで7分20秒

水道水300mlなら燃料15ccでもいけそうかな。





炊飯


最後にメスティンで炊飯をやってみよう。

米: 100g
水: 120ml
燃料: 30cc


米を研いで、米の重さの1.2倍の水を入れたら1時間以上浸水させる。
アルストだと火力が弱いのでココ重要。

アルコール燃料30ccを入れて点火する。



風よけ五徳はアルミ板による熱反射も利用できて、効率よく火力を使うことができる。

約10分後に自動消火。
すぐに保温シートなどで包んで15分ほど蒸らす。メスティンはアルミで冷えやすいからココも重要。


メスティンや五徳は非常に熱くなってるので、両手に鍋つかみ(ミトン)などが必須。

なかなかうまく炊けた!





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