差動回路でオクターバー【エフェクタ製作】
前回作ったPhase Splitterと組み合わせて、今回はトランジスタの差動増幅回路を使ったオクターバーを作ってみた。
Phase Splitterの詳細はこちら。
Differential Amplifier Octaver Schematic
こちらがその回路。2つのトランジスタを向き合わせて差動増幅回路の形にし、エミッタフォロワで出力を取り出している。エミッタフォロワは電圧ではなく電流増幅回路なので信号の増幅率は約1倍となる。
IN1とIN2はそれぞれ逆相になるような信号を入力する。本来、差動増幅回路はそれぞれ逆相の信号を入れると足し合わされて元の信号の2倍の信号が出力されるはずだが、この回路の場合は全波整流の波形となって出力される。なぜそうなるのか、その仕組みはよくわからない。
実際にPhase Splitterと組み合わせてベースやギターを入力すると、ピッキングハーモニックスのような1オクターブ上の音が発生する。2倍音を多く含んだ信号といった方が良いかもしれない。正弦波に近い信号を入力すれば、アッパーオクターバーのような効果が得られる。
ただし音は歪んでしまう。元の入力波形を全波整流の形にしているため歪んでしまうのは仕方ないのかもしれない。どうせ歪み系エフェクターに使われるのだからこれで良いのだと納得しよう。
回路図のCとRは音を聞きながら決定した。Cは回路を安定させると同時にローパスフィルタの役割になる。ベースの音色に最適化したのでギター向きではない。ギターで使う場合は、Cの容量をもう少し小さくすると良いだろう。
ここら辺のローパスフィルタが作用しているためか、オペアンプの絶対値回路で作ったオクターバーとは随分違う結果となった。
オペアンプの絶対値回路を使ったオクターバーはこちら。
さて、今回もまた差動増幅回路をモジュール化してみた。
Phase SplitterとDifferential Amplifier Octaverのモジュール化
この記事が参考になりましたら
シェアをよろしくお願いします!
\