クワドラチャ発振器〜安定したキレイな正弦波つくれます
前回に、キレイな正弦波を得るためにウィーンブリッジ発振器を制作しました。ところが実際に使ってみると、出力信号がだんだん小さくなり、しまいには発振が止まってしまいました。ウィーンブリッジ発振器で安定して発振させるには難しいようです。
そこで今回は、もっと安定して発振するといわれる「クワドラチャ発振器」を作ってみることにしました。この記事では「クワドラチャ発振器」の回路図やつくり方をご紹介します。
はじめに
クワドラチャ発振器は、デュアルオペアンプ1つで作ることができます。部品数はウィーンブリッジ発振器と大差ありませんので、これから作るのであればクワドラチャ発振器をオススメします。
なお、この記事で紹介する回路は「OPアンプ回路の設計」を参考に、私が単一電源で動くように改造したものになります。
クワドラチャ発振回路図
こちらがクワドラチャ発振回路図になります。9V電池の単一電源で動かせるようになってます。オペアンプのV+(8番)は9V電源に、V-(4番)はGND(仮装ではないGND)につないでください。単一電源9V電池で動かす設計ですので、GNDと表現しているのは電池のマイナス極の意味になります。
オペアンプはNJM4558になっていますが、TL072などでも構いません。
発振周波数の計算
ウィーンブリッジ発振回路と同様に、CとRを同じ値にそろえれば、発振周波数を簡単に設定できます。発振周波数の計算は次のとおりです。
$$f=\frac{1}{2πCR}$$
回路図の説明
この回路では、約1kHz(1061Hz)で発振するように設定しました。出力にボリューム抵抗を使って、出力の大きさを調整できるようにしてあります。
オペアンプの3番ピンから7番ピンにまたがっている160kΩ(10kΩ+150kΩ)の抵抗は、Rの値の10%くらいに調整するとキレイに発振するようです。
回路の組み立て
ブレッドボードで扱いやすいようにするため、基板を作ってクワドラチャ発振器モジュールを作ってみました。
出力波形の観察
クワドラチャ発振器を動かして、出力波形を観察してみました。このようにキレイなサイン波が得られました。
わずかですが下側がクリップしてましたので、3番ピンから7番ピンの抵抗を160kΩから157kΩに変更しました。ここらへんは各自で微調整してみてください。
出力の可変抵抗を調整して、1Vppにすると低周波回路実験で使いやすいと思います。