ブリッジドT型バンドパスフィルタ回路【エフェクタ製作#7】

この記事では、オペアンプによるブリッジドT型バンドパスフィルタ回路の実験をご紹介する。バンドパスフィルタ回路を作るには色々あるかと思うが、その中でもブリッジドT型が一番簡単だった。以前に作ったホワイトノイズに、バンドパスフィルタをかけて遊んでみたのでよかったら本記事を参考にしてもらいたい。

ブリッジドT型バンドパスフィルタ回路図

ブリッジドT型バンドパスフィルタ回路図
ブリッジドT型バンドパスフィルタ回路図

こちらが、ブリッジドT型バンドパスフィルタの回路図である。ブリッジドT型のノッチフィルタをオペアンプを使って不帰還している構成となる。R2を可変することでフィルタの中心周波数を変えることができる。ちなみに中心周波数\(f\)は次の計算式で計算できる。

$$f=\frac{1}{2π\sqrt{\frac{R_1}{R2}}CR_2} \tag{1}$$

また、この回路は反転増幅回路の応用なので470kΩの2つの抵抗で増幅率が決まる。ここでは同じ値にしているので、増幅率は1倍である。

ブリッジドT型バンドパスフィルタの伝達関数

次に、ブリッジドT型バンドパスフィルタの伝達関数\(H(s)\)を示す。

$$H(s)=\frac{R_1R_2C^2s^2+(2R_2+R_1)Cs+1}{R_1R_2C^2s^2+2R_2Cs+1} \tag{2}$$

ノッチフィルタを不帰還しているため、ノッチフィルタの伝達関数\(G(s)\)の逆数を取れば\(H(s)\)が導き出される。

$$H(s)=\frac{1}{G(s)} \tag{3}$$

よって、巷のノッチフィルタの伝達関数を参考に、式2を導き出した。

さて、この伝達関数\(H(s)\)を元にPythonで周波数特性をシミュレーションしてみた。つぎのプログラムでは、\(R_1=470kΩ、R_2=400Ω、C=0.01μF\)としたときの周波数特性をプロットする。

from control.matlab import *
import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np

if __name__ == '__main__':
    R1 = 470 * pow(10, 3)  # kΩ
    R2 = 400  # Ω
    C = 0.01 * pow(10, -6)  # μF

    fc = 1/(2*np.pi*C*R1)*np.sqrt(R1/R2)
    print(fc)

    H = tf([R1*R2*pow(C, 2), (2*R2 + R1)*C, 1], [R1*R2*pow(C,2), 2*R2*C, 1])  # 伝達関数
    print(H)
    W = logspace(1, 5)  # 対数スケールの配列
    bode(H, W, Hz=True)
    plt.show()

Tブリッジド型バンドパスフィルタの周波数特性
Tブリッジド型バンドパスフィルタの周波数特性

プログラムの実行結果がこちら。約1161Hzを中心にバンドパスフィルタがかかっている。

オペアンプで実践

BPFをブレッドボードで実験
BPFをブレッドボードで実験

次に、実際にオペアンプでTブリッジド型バンドパスフィルタ回路を組んで、ホワイトノイズをフィルタしてみた。

ホワイトノイズの作り方はこちらの記事を参考に。

フィルタ回路の定数は、先ほどのシミュレーションと同様\(R_1=470kΩ、R_2=400Ω、C=0.01μF\)とした。

オペアンプで組んだBPFの周波数特性
オペアンプで組んだBPFの周波数特性

音を録音して周波数特性を調べると図のようになった。1160Hzでピークがあるので、見事にシミュレーション結果と一致した!

\(R_2\)を可変抵抗にすればこのように風のような音も作ることができる。ちなみにこの音源は、\(R_2\)を約10kΩから10Ωまで変化させた音である。

バンドパスフィルタとホワイトノイズがあるだけでかなり遊べるので、ぜひ作ってみてはいかがだろうか。

また、可変抵抗をフットペダルのボリューム抵抗に変えればオリジナルワウペダルを作ることも可能なはず。

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バンドパスフィルタモジュール
バンドパスフィルタモジュール

今回ブレッドボードで組んだバンドパスフィルタ回路をモジュール化してみた。中心周波数を変えることができるように、\(R_2\)は外部抵抗で制御できるようにしてある。

さて、このモジュールを使って打楽器の音色を作ったり、擬似エンベロープと組み合わせてオートワウ効果を実験してみた。こちらの記事もぜひ参考に。

エフェクター製作にオススメの書籍

最後にエフェクターの電子工作でオススメな書籍を紹介しておく。どちらの書籍も大塚明先生が書いたもので大変良書だ。しかし、残念ながら現在廃盤になっている。品切れまたは高価格になっているので、もし安く手に入るようなら買って損はないだろう。

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また、こちらは別の方が書いた本だが写真や図が多く、初心者の方でも安心して自作エフェクターが作れると思う。実際に製作する時の、ちょっとした工夫もたくさん詰まっているので大変参考になった。

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