ギターで使えるハイパスフィルタ回路【エフェクタ製作】

Active HPF and LPF Modular Effector

Active High-pass Filter
以前にアクティブのローパスフィルタ回路を紹介したが、今回はそのハイパスフィルタ版を紹介する。こちらがその回路図。2次のハイパスフィルタで、-12dB/0ctで減衰するバターワース特性を持つ。
前段のオペアンプは、ハイインピーダンスの楽器を受けるためのバッファ回路。そして、後段がメインのハイパスフィルタ回路となる。
ローパスフィルタ版はこちら
カットオフ周波数は次式で計算できる。
$$f_c=\frac{1}{2πCR}\tag{1}$$
ただし、次の条件を満たすこと。
$$R=R1=R2,~~ C1\simeq 1.4C ,~~ C2 \simeq \frac{C}{2}$$
要するに、R1とR2を同じ値にして、C1とC2の半分の値をCとして式1に当てはめて計算すれば良い。回路図の定数では\(R=10kΩ〜110kΩ、C\simeq0.022u\)となるので、カットオフ周波数の範囲は66Hzあたりから723Hzまでとなる。
ギターで使いやすそうな周波数帯域に設定してある。また、カットオフ周波数をかなり低くできるようにしたので、マイクのローカットにも使える筈。

Active High-pass Filter Module
Rの可変抵抗は、2連の可変抵抗を使うと便利だ。直列に挟まっている10kΩは可変抵抗を絞った時にRが0Ωにならないようにするため。
また、オペアンプはTL072を使用。ローパスフィルタの場合は高域がカットされるので4558で良かったが、ハイパスフィルタの場合はきらびやかさが売り。なので、高域の伸びの良いTL072がオススメ。

Active HPF and LPF Modular Effector
その後、このハイパスフィルタとローパスフィルタをまとめてモジュラーエフェクタにした。モジュラーエフェクタの詳しい内容はこちらの記事へ。
エフェクタ製作オススメ商品
エフェクタ製作に必要なオススメの工具をご紹介します。
▼ ミュージシャンの方にお勧めされた白光のはんだごてを使ってます。少し高いと思われるかもしれませんが、もっと早く買っておけば良かったと思えるほど良いです。立ち上がりが早くてはんだごてのオンオフのストレスがなくなり、温度も熱くなりすぎないのでパーツを痛めることも少なくなりました。これ一本で基板のはんだ付けから、ジャックなど大きめのパーツもはんだ付けできます♪
▼ はんだで音が変わると言われるほどですので、ヴィンテージはんだから色々こだわる方もいらっしゃるかと思います。私はまだ研究しきれてませんので、とりあえず楽器、エフェクタのはんだ付けに定番のKESTER 44を使ってます。
▼ エフェクタケースはタカチかHAMMONDのケースになると思います。HAMMONDの方がエッジが立っていて、洗練されたデザインなので好きです(電波の発信源にはなりそうですが笑)。Amazonなんかで売られているのはHAMMONDの正規品ではなくクローンですが、使ってみて問題はない感じでした。
▼ ジャックやスイッチは故障しやすいので、少し高くてもそれなりのものを使ったほうが良いです。私が最近よく使っているのは、NEUTRIKのNMJ6HC-S、SWITCH CRAFTの12Aと12Bです。NMJ6HC-Sはサウンドハウスさんで安く手に入ります。12Aはプラグを抜くとスイッチがショートするタイプで、入力に使うと便利です。12Bはステレオなので電源スイッチと連動できます。
トゥルーバイパスでエフェクタ制作する場合は、フットスイッチをよく選んだ方が良いです。安物だとスイッチノイズが盛大にでます。どこのメーカーかは分からないのですが、端子が金メッキされているフットスイッチを選ぶとしっかりした作りなので安心できます。
オススメの自作エフェクタ本
エフェクターの電子工作でオススメな書籍を紹介します。どちらの書籍も大塚明先生が書いたもので大変良書だと思います。残念ながら現在廃盤になってしまい品切れまたは高価格になっている可能性が高いですが、もし安く手に入るようなら買っておいて損はないです!
- 専門的知識がない方でも、文章が読みやすくおもしろい
- エレキギターとエフェクターの歴史に詳しくなれる
- 疑問だった電子部品の役割がわかってスッキリする
他にも自作エフェクターで参考になりそうなこれらの書籍を紹介しておきます。